liar the girl

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8.





「アンタって変わってるわよね」


「……よく言われますが」










 砂漠越えの最中、運よく小さな洞窟らしきものを見つけたアユ一行は、休憩していた。





 携帯食と水を両手に持ち、昼食中である。








 ツンデレ・コマイの口から繰り広げられる罵詈荘厳を全て涼しげな表情でスルーしていたアユを、コマイは訝しげな表情で睨んだ。









 もきゅもきゅと頬張りながらも、無言なウグイの頬に着いた汚れをハンカチでふき取りつつ、アユは微妙な沈黙の後言葉を返した。








「何で威張んないのよ。本家の癖して」


「……は?」








 まるで責めるような口調に、流石のアユも目を瞬かせる。




 コマイははぁ、とため息をついた。






「アタシ、本家のガキの護衛なんて聞いてから、絶対傲慢ちきなガキだろうと思って、も
う処刑覚悟で逆らう気満々だったのに」








「処刑覚悟ですか……。まぁ、私じゃなかったら100パーセントコマイさん、死んでま
したよね。たかがガキになんでそこまで意地張るんです」





 それは不思議だった。




 冒頭に述べたように、コマイはこれでもかと言うほど罵倒していた。もともとツンデレ
であるというのも関係しているのだろうが、まだ五歳の少女であるはいえ、本家直属の長女である。
 




 分家がそんな無礼な態度を取っていれば、罰則は免れないだろうし、コマイはもう見たところ成人近い年齢だ。良し悪しの判断が出来ないワケでもあるまい。







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