逃避行少女

□逃避行少女
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 生レオがなんたらかんたら。




 ぶっちゃけ、興味は無いのである。






(それに――)



 (レオフラグは確か―――日向君誘拐事件だった筈)







 そんなの、お断りである。




 そんなものに一々首を突っ込んでいられるか。




 と、思っていたのに。






「えっと――、時宮」



 何だね。金髪の貴公子殿―――、あ、いや、間違えました。




 よほど私はテンパっていたらしい。






「な―――、何、かな。乃木君」




 原作通り、生レオ後の日向君入院ネタ。




 お見舞いに行く筈の乃木君から声を掛けられる、というのは――嫌な予感しかしない。






 そんなことない。


 トリップ特典、なんだそら。


 


 ていうか、いらねーよ。





「も、もし良かったら……なんだけど。一緒にお見舞い、来てくれないか?」


「…………………………」





 私の勘は悪い筈なのに。


 何で、こういう時だけ当たるんだ。


 
 嫌だよそんなの。誘拐フラグびんびんじゃないか。



 だから、苦笑し、遠回しに断――、




「そ、その、多分、なんだけど……。棗がさ、時宮のこと結構気にしてた……と思うし」


 なんだそら。


「もしかしたら……、時宮が来たら、棗も喜ぶかな……って」


 いやちょっと待て。


「だ……、駄目……か?」



 待てって言ってんじゃんよぉおおおおお!!!!!!!



 いやいやいやいや、何でだよ。おかしいだろ。




 おかしすぎるよ。テンパってるよ。キャラ崩れてるよ私!





「林檎ちゃん、行ってあげたら?」



 にっこりと私に凭れ掛かっていた心読み君は笑う。



 レオに会ったらサインお願いね、とも。





(フラグを叩き割るなんて芸当)

    (出来ないらしい)
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