逃避行少女

□逃避行少女
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「おー! チビーズ似合ってんじゃねーか!」


「えへへ……」


「帰っていいですか」




 思わず真顔で宣言。




 いや、だって。





(これコスプレもいいとこじゃん―――!!)





「んなこと言うなよ林檎! 可愛いぜ!」




 腹だしとかふざけんな。


 ついでに言うなら美少女と並べんな。






「林檎可愛いでー!」


「美少女に言われても嬉しくないし……」




 



 私は見る専なんだよ。


 


(そもそも私は傍観する筈だったのに――)





 当初の目的を忘れていた。


 と、いうか抱負を。




(思いっきり、というか完璧に参加しているこの現状――)




 嫌だ。

 今すぐ逃げたい。



 潜在能力系に戻りたい――!




 すみません、私の精神年齢は××歳です。




(チビっ子に悪口とかでババアって言われるかもしれない年齢―――!)


 言われたくないけど。





 つまり。




(イイ歳してコスプレなんて御免なんだよ!!!!)
















「林檎?」



「もう嫌だヘソ出しとか羞恥心で死ねるあああああ潜在能力系に帰りたいうぁあああ何でみんな羞恥心の欠片も無いんだよちくしょうちょっと飛び降りてくるわ」



「ストップ林檎!! キャラが崩れとる上にさり気に自殺発言しとるやん!」







 やめてぇええ!! としがみ付いてくる佐倉さんを鬼の心で振り払い、逃げようとするものの、足にしがみ付かれた。





 ひぃいいいい生足!!! ふりふりミニスカとかふざけんな!! 佐倉さんズボン(?)なのに何で私だけ!!








「コスプレとかマジいやぁあああ!! 私見る専だしぃいいいいい!!! 誰かに見られたら死んでやるー!!」


「顔がマジやで林檎! 考えなおしーや! 十分似合っとるって!」


「美少女が言うなーっ!」


「ホンマに今日どうしたん林檎!? いやいや、本気で林檎可愛い! なぁ翼先輩!」


「おっ、おう!」


「声が上ずってるー!!」


「えええ!!!」









 あぁもう自分でも何言ってるのか分かんなくなってきた。



 コスプレなんぞ、人生初だし。












(うわぁ林檎がガチで泣きそうだよおい美咲どうすんだ)


(ちょ、おま、フォローしろって!)


(いやまぁ可愛いんだけどあの錯乱っぷりがな……キャラが……)
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