liar the girl
□6.
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6.
五歳になった。
「夢小説とかだったら、チート的な最強夢主とか居たのにねぇ……」
千鳥? 螺旋丸? チャクラ? ばっちこい。
そんな風に言えるようになったらなあ、と最近思うのです。
初っ端から最強でしたみたいな夢とかよくあったけど、そういうのだったらどんなに楽だったか……。
ああ痛い。血豆が痛い。
「まあ、少しだけ進歩はしたんだろうねえ」
のんびりと縁側の定位置に座りつつ、しかし手には忍術書。内容は中忍レベル。
アカデミーや下忍レベルは何とか前世の知識を生かしつつ、何とか読み進めることは出来た。
多分、理解できてると思う。多分。
目標はアカデミー入学までに、上忍レベルの忍術書に手を伸ばせること。
全部理解するだなんてそんなことは無理だということが分かってるから無謀な目標は立てない。目標は大きいほど良いというけれど、大きすぎるのも困りものだ。現実を見ろ。
それでも、五歳の少女が縁側で中忍レベルの忍術書を読みふけっているというのは、何とシュールな図だろうか。
……いや、考えたくない。
「イタチさんも苦笑するわけだわ……」
話は変わるが、報告しよう。
写輪眼が開眼したようである。
アユのような者でも一応はうちはの血筋。血はちゃんと流れているようで、ついこないだ修行中、瞳が真っ赤に染まっていることに気付いた。
……まじか。
その時の心情は、感動とやらは無く、純粋な驚きだった。
ていうか、イタチさんもついこないだ開眼したばかりだぞ?
何でうちはきっての天才よりも早い年齢で開眼せにゃならん。
何としてでも隠さなければ。でないと、目立つじゃないか。
偶然その場に居合わせたネジ少年に流石少年好奇心よろしく、しげしげと見つめられ、拍手喝采を送られた。
まぁ、ネジ少年はそうホイホイ喋るような子じゃないから大丈夫だろう。
その後、なら条件は同じだな、などと呟きながら、百眼をして襲いかかってきたネジは心底怖かった。
殺されるかと思いました。
というか、サスケもまだ写輪眼が開眼してないのに、先でいいんだろうか。どうなってるナルト世界。ますます分からんわ。
一人で悶々と考え込んでいると、後ろの障子が開いた。
「アユ様、フガク様がお呼びです」
……まじっすか。