liar the girl

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「うーぁー……ごめんねー……ウグイ君……」


「……………………………………別に」







 駄目だ。力が全然入らない。身体が怠い。


 そして恥ずかしいです。死にたい。




 無駄にかっこつけたものの、写輪眼の反動は大きくぶっ倒れてしまったアユ。


 呆れたコマイの視線と不思議そうに頬を突っついてくるウグイの視線がどうしようもなく恥ずかしかった。 
 
 穴があったら入りたい。




 というか、助けてくれよ。















 ほとんど背の変わらないウグイにおぶられているこの状態、実の精神年齢が○○歳(非公開)であるアユにとって、羞恥心の塊でしかない。



 けれど、ここで下してもらったとしても、碌に歩けず余計着くのが遅くなってしまうだろう。



 図柄として何とかまだマシに見えないこともないコマイをそっと伏目がちに伺ったものの。



『嫌よ面倒くさい自業自得でしょ馬鹿』



 ツン120パーセントで構成されたお言葉が返ってくる始末である。




 
「コマイさん〜……」


「嫌。自分の身は自分で守るって言ったんだから、知らないわよ」


「うう〜……。コマイさんのツンが痛い……、痛すぎるぅうううう……」



 踏みつぶされた蛙の如く恨みつらみ籠った声を上げると、コマイは鬱陶しそうに睨む。


「うっさいわねぇ。荷物持ってやってんでしょ!?」


「いやまぁ、そうなんですが。真に感謝しておりますが」


「……………………………僕なら、平気だけど」


「違うんだって……、その、絵としてね? 色々と可哀想な感じに……」


「誰も見る人なんていないじゃない。仮に居たとしても、アンタ達見た目だけは五歳のガキなんだから、微笑ましく見えるって」


「あ、そういえば私五歳でしたね」


「忘れてたわけ!?」



 忘れてた忘れてた。いや、ウグイ君だけならまだしも、自分の年齢なんて一々覚えてないって。私は精神年齢高いわけであって……。あぁそうかまだ五歳か。



 ぽけー、と痴呆症予備軍のアユに、コマイは呆れた視線を向ける。




「アンタ……、さっきまで普通に忍殺してたくせに、情けないわね」

「何をいいますか。いいです? 忍にもオンオフのスイッチがありましてですね、そんな年中気を張り詰めた状態なんかクソくらえですから、その分岐は大事なんです。つまり、今はオフなワケですよ。アユちゃんはオフスイッチ発動です」

「アンタまだ忍じゃないでしょうが」

「あらやだ失礼」



 おほほ、と口元に手をやり、澄まし顔。

 どうしよう。本格的に物忘れが酷いようだ。おかしいな、まだこの世界ではそんな歳では無い筈なのに。







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