liar the girl
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7.
「父上! 何を考えているのですか! まだアユは五歳ですよ!」
どうやら、ブラザーストップが掛かったようです。
「まだ五歳であろうが、実力は実力だ。俺がそう判断したのだから、お前は余計な口を出すな!」
「しかし……っ!」
怒鳴りつけるフガクと悔しげに顔をゆがめるイタチの間に挟まれて正座している、アユ・五歳です。
「イタチさん。私は別に構いません。護衛の方もつけてくださるそうですし、良い経験になります」
「だが!」
眉根をさらに寄せて訴えるイタチを見かねてアユは声をかけるも、イタチは納得いかない様子で視線を彷徨わせた。
まったくこのシスコンが。ブラコンだけにしときなよ。
「大丈夫です。これは私のほんの勘に過ぎませんが、大丈夫だと思います」
「……」
眉間の皺がどんどん濃くなっていく兄に、アユは溜息をついた。
「イタチさん、お願いします」
「アユもこう言っているだろう」
「………しかし」
ああああああ!!! もうっ!! 往生際が悪いっ!!!
いつまで経ってもぐじぐじジメジメしているキノコ兄に無性にイラッとしたらしいアユは、ダンッと床を殴った。
めきょ、と床に穴が開いた。
「「…………………………………」」
最近、チャクラコントロールを覚え、それを某狩人的に操作し、拳を『硬』っぽくしてみたアユである。
ありえない威力が出ると気づいたのは、森の由緒ある大木を倒してしまった時だ。
「…………イタチさん」
「し、仕方ない……な」
ブラザーストップは、妹の脅しによって看破しました。