冒険に出発する

□新しい仲間
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「なーよぉヨシヒコ、そろそろ休憩にしない?歩き疲れたよー」


「そうは言ってもあと2歩前へ進めば村に辿り着くのですよ。あと2歩頑張りましょうメレブさん」


「そーだよクソ魔法使い!2歩くらい頑張って歩けよ!つーかこれっぽっちで頑張らなくても歩けんだろ!!」


「何だと平ら胸のクセに!」


「何よ!!」


「こらこら喧嘩はよしなさい、みっともない」


「ダンジョーさんの言う通りですよ2人とも」


私は ダンジョーさん ムラサキ メレブさん たちと共に冒険の旅にでかけています

なんだかまたやっかいな魔物が出たそうで・・・

仏様が現れ、私たちはその指示通り旅に出ています



「はいはい2歩歩いたよ!2歩どころか間違って4歩も歩いちゃったよ〜2歩返せ!」


「訳わからないこと言わないでよバカメレブ!」


「ここは・・"フトゥーの村"?」


「確かに、その名の通り見た目は普通の村だな・・ちょっと広いだけで」


「ダンジョーさん、普通じゃなくて"フトゥー"です」


"フトゥー村"に入ると人がいっぱいで賑わっている

どうやらここには悪い奴はいなさそうだ

お店も繁盛しているようだし、自然も豊富で困った様子はない


「やっと一番マシな村についたか〜」


「この村に泊って行きましょ!」


「そうですね」


私たちは泊れる宿を探し奥へ進む

進めば進むほど人が賑わう


「あ、あの人に聞いてみましょう」


ヨシヒコが指さす相手は黒い髪の毛にロングヘアの女性だ


「なんかあたしたちみたいにいかにも冒険に行く!っつう格好してるね」


それもそのはず、服装は丈夫そうな布でできたワンピースのような服に

頑丈そうな盾を持っている

ただ、服の色は不気味な真っ黒で、金色のラインが入っている

でも雰囲気はなんだか優しそうな人である


「あのーすいません。私たち、宿を探していr」

「あぁ?」


ヨシヒコが話しかけた瞬間、突然ギロっとこちらを睨みつけた


「やっぱりお前、見た目からして怪しい!敵か!?」


そう言ってヨシヒコは腰の剣を握りしめる


「ア゛?初めて会った人に何て無礼なこと言ってんだコラ」


女は荒い言葉遣いで、どうやら怒っている様子だ


「や、やばいってヨシヒコ、この人相当キレてるよ!」


「この女、敵じゃなくてただのこの村のヤクザじゃね??」


「そのようですな」


しかしヨシヒコは話をまったく聞いていない

ヨシヒコと女はずっと睨みあったままだ


「おい貴様ら・・この村じゃ見かけねぇなァ」


「うん、そうだよ。うちら冒険の旅に出てんのさ」


同じ女ということもあり、気軽に喋り出すムラサキ


「気をつけろムラサキ、相手はLv高そうだぞ・・」


「バカね〜ヨシヒコ、敵じゃないって言ってるでしょ!ねぇ、貴方何ていう方なの?」


「名乗るほどでもない。用がないならとっとと消えな!」


「ハ!?」


こんな言われ方をされると、ムラサキはとうとうカチンときてしまった


「名前ぐらいいいでしょ!?何が駄目なの!」


「うっせぇ女だなァ!お前が先に消えろ!!」


「ハァッ!?ふざけんなよ誰がお前の為なんかに!」


2人はムキになり、口喧嘩もヒートアップしていく


「もういい!メレブ!こいつに"ハナブー"かけてやって!」


「え?この人に?」


「そうだよ!早く!こらしめてやって!」


「え・・まぁいいけど・・・、"ハナブー"!」


ボンッ


「きゃっ・・もう何!」


「ギャッハハハハ!アンタの鼻、みっともなくなってるわよ〜!」


「え?え?」


「鏡を、見てごらんなさい」


そう言ってメレブは服の裾から手鏡を取り出し、女の顔へ向ける


「・・・!?な、何この鼻!ちょ、何で・・?」


「はは〜ん悔しいだろ?こんなブタ鼻じゃ嫌で嫌で仕方ないだろ〜〜♪」


ムラサキはからかうように指をさし嘲笑う

しかし…




「す、すごい・・」


「エ?」


「すごい・・何この呪文・・誰がやったの?」


「この私だ」


メレブが得意げに胸を張って一歩前へ出る


「メレブさん・・・貴方、すごい・・こんな呪文、兄ちゃんは出せない・・・」


「え?君のお兄さんも魔法使いなの?」


メレブがぐいぐいと質問する


「あ、はい!兄も魔法使いなんです」


「へぇ、俺と同じ魔法使いねェ・・さて、どんな魔法が使えるのかな!」


「私が知っている限りでは、"ザオリク" "ゲラ" "ギガデイン" "ルーラ" など・・・」


「えぇ!?お兄さんも"ゲラ"使えるの!?」


「はい、メレブさんもですか?」


「も、もちろん!てか俺が最初に"ゲラ"覚えたんだぞ!」


「そうなんですか!すごいですね!!」


「つーかさぁあの汚い口調はどこいった!」


いつの間にか荒い言葉遣いがなくなっていることに指摘するムラサキ

すると「え?」という顔しポカンと口を開けている


「確かに、さっきの乱暴な時と全然違いますね。やっと目が覚めましたか?」


「ん・・?私が乱暴な言葉でも言いましたか??」


「十分言ってたわボケ!!張り合いになったはアホ!!」


「ムラサキお前も十分汚いぞ」


「黙れオッサン!」


ムラサキはキツくダンジョーに言う

ダンジョーはふてくされた顔で腕を組んだ


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