長編小説 2


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Abendlied 第40話
――無事でいてくれ!
エリックは不安と恐怖で、どうにかなってしまいそうだった。

Abendlied 第41話
自分は何のために、ここに来たのか――。
ヒナは暗く遠い空を見上げながら、21世紀の時代に思いを馳せた。

Abendlied 第42話
――ナーディルに何と言おうか……。
胸がギリギリと締めつけられる。

Abendlied 第43話
ヒナの笑顔が、ガラスが粉々に砕け散るように消えてゆくのがみえる。
これは幻覚なのだろうか。それとも私が生きていることの罰なのだろうか。

Abendlied 第44話
愛は終わったのだ。
エリックの体がこわばり、緊張した空気が二人の間を流れ始めた。

Abendlied 第45話
初めて見る彼の素顔が愛おしい――

Abendlied 第46話
自分の悪行のすべてを見た訳ではない。
ならば嘘を教えこむことも可能だと――

Abendlied 第47話
燃えていくクリスティーヌの肖像画を見つめていると、彼女との愛は終わったのだと痛感する。
もっともそれは、エリックの一方的な愛でしかなかったが――

Abendlied 第48話
「もう関係は終わったんだ!」
エリックは声を張り上げ、乱暴に振り返った。

Abendlied 第49話
「ええ、実はそのオペラ・ゴーストに興味がありましてね」
ミトロンの発言に、リシャールは持っていた銀製のワイングラスを床に落としそうになった。



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