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□08.04.06
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「俺がもし、普通に黒髪で、ストレートでそれなりにモテて且結構稼いでる出来る男だったら、お前どうする?」








銀ちゃんが突然、ジャンプを読む手を止めて、真剣な顔して私に質問してくるから、思わず固まってしまった。
そして…大爆笑。だってそうでしょ?あの銀ちゃんがだよ?あのちゃらんぽらんの、あの銀ちゃんが。
もう笑った。お腹抱えて笑った。





「おまっ、人が真剣に聞いてんのに…!笑うとかひどくない?!」


「だ、だって…!あはっ、あははは!おえ、むせた、げほっ、あー涙が…あはは」


「………」





銀ちゃんは少し黙ると「いいもーん、もう銀さん拗ねちゃったもーん、どーせ俺なんか…」と言って、
ソファに寝っ転がってジャンプで顔を隠した。
なんとか笑いが収まった私はとりあえず銀ちゃんの話を聞いてあげようと思った。





「え、何?それで銀ちゃんは自分が『天パで白髪で全然モテなくて且常に貧乏なマダオ』だって理解した上で言ってるの?」


「なんかすっごい傷つくんだけど。てか俺マダオじゃないから、マダオは…あー…長谷川さんだから」


「今一瞬名前忘れてたでしょ」





受け答えはするもののジャンプを顔からどかさない銀ちゃん
鼻に擦れて痛くないのか?(あ、そうじゃない?)




「…理解したって言うか…言われたって言うか…」


「え、誰に」


「…ババァ」


「お登勢さん?あー、でも一理あるよね、ね、マダオ」


「違うから!アイアムノットマダオだから!ポジティブシンキングだから!」


「意味分かんねーよ」



やっとジャンプの仮面を取り払ったよこの人(ん?ジャンプの仮面ってなんだ。自分で言っといて分かんなくなってきた)
意味不明、理解不能な英語を口にした銀ちゃんは深いため息を吐いて、湯呑に手を伸ばす








「まぁ、どちらに転んでも私は『銀ちゃん』が好きだから関係無いんだけど」




と言うとソファから見事に落下してくれた。
あー、今の良かったよ。うん、面白かった。




「お、おおおおおまっ」


「銀ちゃん、あほ?」


「普通あんな不安定な体制の時に動揺するようなこと言うか?!」


「ほぉ、動揺してたんだ」


「…あー…なんかすんませんでした」



気分転換に厠行ってくると言って銀ちゃんは居間を後にした。
気分転換に厠ってなんだよ、ホント親父だなとか思ったけど、居間を出る時、銀ちゃんの頬が少し赤かったことは、私だけの秘密です。

(君のすべてが愛しいなんて、いくらでも言ってあげるよ!)

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