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□How to study?〜楽しい学び方〜
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さあ、お勉強を始めましょう
Caro mio discente?
How to study?〜楽しい学び方〜
ドアを開けると、嬉々としてディーノが出迎えた。
「待ちくたびれたぜ〜」
電話があってからすぐにバイクを飛ばしてきたつもりなのだが、雲雀はそれよりも先に気になることがあってディーノの姿を頭から爪先まで見た。
「…何その格好」
今日のディーノはいつもとらしかぬディーノだった。
いや、顔は同じだ。着ているものが違うのだ。
「似合う?」
髪を後ろひとつに緩く括り、いつものラフな服とは違ってシャツにスラックスといった真面目な格好。ご丁寧にネクタイもきちんと締めている。
日本で会合でもあったのかと思ったが、意外にそれらはパリッとしていて、下ろしたてという印象を与えた。
…かといって、雲雀をここへ呼び出したことからして今から出かける予定は無いらしい。(出かけるなら学校まで迎えに来る)
「……」
そんなディーノの様子を下まで見終わって、雲雀はまた視線を上にやった。
そう。いつものディーノと最大に違う点。
「…あなた、目、悪かったっけ?」
メガネ。
薄いレンズに細身のフレーム。
スタイリッシュなフォルムはすっきりとしていて、かける人を一段上に見せている。…つまり、似合っている。
けど見慣れていないからか普段と違う顔立ちに見える。
ヘタレがちゃんと知性的に見える。
…おっとこれではディーノに失礼だ。
とりあえず、メガネはディーノの端正な顔立ちを更に魅力的に見せていた。
雲雀が一瞬思考するのを止めて見入るくらい格好良かった。
「いや、これは伊達だけど」
ディーノの力説によれば、彼の視力は未だ高数値を保っているらしい。
レンズの奥で、くりくりと榛色の目が動いた。
「…それはどうでもいいけど」
ひでえ!と嘆くディーノは放っておいて、雲雀は次を続けた。ここに来てから一番聞きたかったことだ。
「何の用?」
尋ねると、ディーノは笑みを浮かべた。
「イタリア語のレッスン」