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□Lovemake,Lovecake
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「ん…ぁっ」


行為を始めた頃はまだ空は朱が射し始めたばかりだったというのに。
身体を繋げていると時は自分が感じているよりも早く過ぎるようで、彼らが情事をひとまず終える頃にはもうとっぷりと日は暮れて宵闇が広がっていた。





Lovemake,Lovecake






雲雀はそんな闇の下に広がる夜の並盛の町を、ホテルの最上階の窓から見つめていた。


情事の後で気怠い身体を膝まで張ってあるガラスに押し当てる。
シャワーを浴びた後というのもあり、昴り火照った肌には気持ち良く馴染んだ。



今日は、僕の生まれた日。
ここで生まれてここで育ってここで生きて。



それを15年間続けてきた。


そう思うと、今まで無頓着だった自分の誕生日も感慨深く思えてきて雲雀は静かに笑みを洩らした。


「なーに笑ってんだよ恭弥」


そのときベッドルームのドアを開けてディーノが入ってきた。髪を拭きながら、町を見下ろしている雲雀の横に立つ。
フワ、と香ってくるのは今の雲雀と同じホテル備え付けのシャンプーやボディーソープの香り。
自分と同じ香りを身に纏っている恋人が愛しく、心地よく思えて雲雀はそのまだ肌を湿らせている胸へと身体を寄せた。


「どした?今日はやけに素直だな」


ディーノの長い指が雲雀の髪を梳き、雲雀は目を細めた。


「たまにはいいでしょ」


「そうだな…さっきの恭弥は素直で可愛かっ…いて、いててっ」


雲雀に手の甲を思い切り抓ったのでディーノが情けない声を上げる。ディーノが余計なこと言うのが悪いのだと雲雀は理由付けた。


「…あともうちょっとで誕生日終わっちまうなー」


「だから?」


今日が終わったらまた次の日が始まるだけ。
雲雀以外の人にとってはただのこどもの日だ。


「今日この日に恭弥がこの世に生まれてきたんだってことに感謝しなきゃな」


「……っわ」


急にディーノに抱えられて慌てて雲雀はディーノの首にしがみついた。
ディーノはベッドに向かいながら微笑む。


「だからさ…たっぷりと可愛がって祝ってやるよ」


耳元で囁かれ、雲雀は身体が疼くのを感じる。
ここまで言われてしまったら雲雀に拒否権など無いに等しいのだ。


「…っ好きにすれば」


破れかぶれでディーノの頬にキスを贈ると、


「言われなくても」


とディーノは笑って雲雀に覆い被さった。




 
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