Under

□今、未来、ずっと
1ページ/10ページ




「ぼくーはラーンボ、ラーンボ、ラーンボッ」


「歌うまいなぁランボ〜」


「……」


「すいません、ヒバリさん…」


いつもは静かなはずの応接室に、子供の笑い声が響いていた。


「ガハハハランボさんは歌うまいんだもんね!」


子供というのは牛柄の服を着たランボ。さっきから自作らしい歌といえるか分からない歌を、ランボを膝に乗せている青年に聞かせていた。


「はは、そうだな〜。ホラ、もっかい歌ってみろよ」


ランボと遊んでいる青年、ディーノは時折歌を口ずさんでやっては笑っている。

「お前オンチ!」


「なっ…!」


「…ねえ、ここは託児所じゃないんだけど」


そして、それを遠巻きにするように机に着き、頬杖をつきながら見ているのは雲雀だった。ちなみに機嫌は最悪だ。


「すみませんっすぐ戻りますから!」


その横でツナが平謝りしている。
ランボがまた並中に来てしまい、丁度雲雀のもとを訪れていたディーノと鉢合わせしてしまったのだ。
それでディーノがランボを応接室に連れてきてしまい、ランボを連れ戻しに追いかけてきたツナまでが応接室にいる、という状況だった。


「いいじゃねぇか恭弥。たまには遊んでやらねえとな!…って髪引っ張るなよ!」


「……」


(ディーノさん…そのくらいで止めた方が…!)

ディーノは遊ぶのに夢中になっていて気付いてないだろうが、雲雀からすればこうだ。
久しぶりにディーノと会うことが出来たのに、自分を放ったらかしにして子供と遊んでいる―しかも楽しそうに―それが面白いはずがない。


(ディーノさーん…)


ツナもそれを察しているため、このままだと咬み殺され兼ねないとハラハラしてディーノとランボを見ていた。

ランボは言うことを聞かないし、ディーノはいいじゃないかと自分に迫った危険に気付いてないし…気が気でない。


「何だそれ?」


「これねー、10年バズーカっていうんだよ!ボスがくれてねー、ドカンッてするの、ドカン!」

「お、おいランボ…」


このとき、ツナは良くないことが起こるような気がした。そして、そういう悪い勘は大抵当たるものである。


「ドカン!」


ドカンッ


ランボが叫んだ途端、大きな爆発音が起こった。
そして、辺りが煙に包まれた。





 
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ