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□今、未来、ずっと
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「ぼくーはラーンボ、ラーンボ、ラーンボッ」
「歌うまいなぁランボ〜」
「……」
「すいません、ヒバリさん…」
いつもは静かなはずの応接室に、子供の笑い声が響いていた。
「ガハハハランボさんは歌うまいんだもんね!」
子供というのは牛柄の服を着たランボ。さっきから自作らしい歌といえるか分からない歌を、ランボを膝に乗せている青年に聞かせていた。
「はは、そうだな〜。ホラ、もっかい歌ってみろよ」
ランボと遊んでいる青年、ディーノは時折歌を口ずさんでやっては笑っている。
「お前オンチ!」
「なっ…!」
「…ねえ、ここは託児所じゃないんだけど」
そして、それを遠巻きにするように机に着き、頬杖をつきながら見ているのは雲雀だった。ちなみに機嫌は最悪だ。
「すみませんっすぐ戻りますから!」
その横でツナが平謝りしている。
ランボがまた並中に来てしまい、丁度雲雀のもとを訪れていたディーノと鉢合わせしてしまったのだ。
それでディーノがランボを応接室に連れてきてしまい、ランボを連れ戻しに追いかけてきたツナまでが応接室にいる、という状況だった。
「いいじゃねぇか恭弥。たまには遊んでやらねえとな!…って髪引っ張るなよ!」
「……」
(ディーノさん…そのくらいで止めた方が…!)
ディーノは遊ぶのに夢中になっていて気付いてないだろうが、雲雀からすればこうだ。
久しぶりにディーノと会うことが出来たのに、自分を放ったらかしにして子供と遊んでいる―しかも楽しそうに―それが面白いはずがない。
(ディーノさーん…)
ツナもそれを察しているため、このままだと咬み殺され兼ねないとハラハラしてディーノとランボを見ていた。
ランボは言うことを聞かないし、ディーノはいいじゃないかと自分に迫った危険に気付いてないし…気が気でない。
「何だそれ?」
「これねー、10年バズーカっていうんだよ!ボスがくれてねー、ドカンッてするの、ドカン!」
「お、おいランボ…」
このとき、ツナは良くないことが起こるような気がした。そして、そういう悪い勘は大抵当たるものである。
「ドカン!」
ドカンッ
ランボが叫んだ途端、大きな爆発音が起こった。
そして、辺りが煙に包まれた。