歴代の拍手たち。

□五代目
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カプセルコーポに、食欲をそそる匂いが漂う中。
なかなか降りて来ないブロリーを懸念し、一人彼の部屋へ向かう。
呼びベルを鳴らしても、一向に出る気配がない。
了承なしに部屋へ入る事に罪悪感を感じつつ、施錠を解除し、室内へ足を踏み入れた。



「、ブロリー…?」



ベッドに横たわるブロリーに、そっと歩み寄る。
体調が悪いのかと懸念したものの、どうやらそれは杞憂だったようだ。
穏やかな表情で寝息を立てるブロリーに、自ずと口元が綻ぶ。



「いつも傍にいてくれて有難う。」



自分を見失いそうになった時。
負の感情に捕らわれて泣きたくなった時。
心から笑えるほど嬉しかった時。

どんな時も傍にいて、いつも自分を支えてくれた。
自分にとって、かけがえのない、大切な存在。
それが友情としてではなく、恋心である事を知ったのは、つい先日の事だけれど。



「ブロリー、」



断ち切らなくてはならない。
ブロリーには好きな人がいて、きっとその人も、ブロリーが好きで。
自分が抱く彼への想いは、邪魔なものに他ならないのだから。


―――でも、




「…好き。」




日々募る想いは、自分ではどうする事も出来なくて。
こうして意識のない、眠る彼にしか、想いを打ち明ける事が出来ない自分が情けなかった。
想いを告げれば、彼を困らせる事になってしまう。それだけはどうしても避けたかった。



「ブロリー起きて、ご飯出来たよ。」



だから、この想いには蓋をして。
今もこれから先もずっと、自分はブロリーの友人であり続ける。
そう、自分に言い聞かせて―――








ヒロインの葛藤。
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