歴代の拍手たち。
□八代目
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長期の仕事を終え、依頼人から受け取った多額の報酬に喜ぶ彼らを横目に、早々にバイクに跨る。
報酬の金額が高い分、普段よりも多くの金が手に入ったのは嬉しいが、それよりもまず先に、ツールの店に預けている彼女に会いたかった。
彼女を迎えに行った後、自宅でのんびりと二人で過ごそうと考えていれば、彼らもまた、彼女の顔が見たいなどと言い出し始め。
結局、ツールの店で打ち上げをする事になってしまった。
随分とアルコールが回ったのか、大騒ぎをする連中から少し離れた席に座り、隣で夕飯を食べる彼女を見つめる。
小さな口を動かし、食事をするその姿は、小動物を彷彿とさせた。(可愛いな。)
「旨いか?」
「ん。でも、今はヤンが作ってくれたご飯が食べたい。」
「明日幾らでも作ってやる。」
「ホント?」
「あぁ。」
嬉しそうに顔を綻ばせる姿に、じんわりと胸が温かくなる。
こういう感覚を、癒されると言うのだろうか。
そっと顔を寄せれば、彼女は頬を赤らめる。
唇が重なる寸前、彼女ははにかんだ笑みを浮かべながら呟いた。
「帰って来てくれて有難う。」
「そこのチビッ子二人!そんな所にいねぇでこっち来い!」
「おいヤン、抜け駆けする気か!?」
「…全く五月蝿い連中だ。」
「ふふ、賑やかでいいじゃない。私は好きだよ?」
二人に声かけたのは、酔っ払いのクリスマスとガンナー。