海に誓う
□第2話
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私はあれから、町をぶらぶらしている。
「んー、とりあえずどっかの喫茶店に入ろっ…かな」
背後から気配を感じた。
誰かにつけられている……
まさか、さっきの奴の仲間?
人数は……7人か……
あーもう、めんどくさいなー
私は大通りを抜け、人が少ないところに行く。
そして、建物の陰に身を潜めた。
「お?どこ行った?」
「気づかれたんじゃねーのか?」
「とにかく探しましょ」
何とかまいた。
やっぱり、私を捜している……
顔は見えなかったから誰かわかんないけど……
めんどくさっ。
「はぁ……はやく喫茶店に行こ」
ちょうど近くに喫茶店があったので、そこに入った。
「うっわ…海賊ばっか」
ここの喫茶店も海賊だらけだった。
人が多く、場所を変えようもと思ったが、とにかく休みたかったので空いている席に座る。
席に着くと店員さんが注文を聞いて来たのでコーヒーを頼んだ。
「それで船長。本当にあるんですか?この島に羅神玉の欠片が」
「⁉」
聞き間違いでは無いはず。
確かに今、向かいのテーブルに座る海賊から、彼らが知るはずのない言葉が出て来た。
何であいつらが羅神玉の欠片のことを知ってるの?
疑問を持った私は怪しまれないよう、彼らの話に耳を澄ました。
「あぁ。確かにこの島にある。何たってこの目で見たからなぁ。しかし問題はどうやって奪うかだ……あそこの警備は異常だ」
「だからって諦めるわけないっすよね⁉」
「あたりめーだろ。でけー声出すなよ。他の奴らに聞こえたらどうする。いいか?欠片のことを知ってるやつはどんどん増えて来てる。今の機会を逃したら他の奴らに奪われてしまう。その前に何としてでもあの時計台から欠片をいただくぞ」
「それにしても本当なんですかね?あの欠片が羅神玉の在り処を示すなんて……」
「可能性はあるだろうな。まあデマでも売れば相当な価値になるだろう。よし、おめーら行くぞ」
「「おう!」」
海賊たちがぞろぞろと店から出て行った。
これはやばい。
「お待たせしました。コーヒーで……」
「ごめん!お金置いとくから!」
私はお金を机の上に置き、コーヒーを持って来た店員を押しのけ店を出た。
彼らの手に欠片が渡ったらダメ。
急いで彼らの後を追った。