信じるもの
□第一話
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「名前……あなたはとても強い子……とても強い心と力を持った子。あなたなら安心して任せられる。でも、その強すぎる力に押しつぶさないか心配だわ……自分の心を強く保って。」
あぁ、またか。
「おまえは俺たちの子供だ。おまえに出来ない事はないだろう。何があっても決して諦めるな。自分を信じろ。自分の力と心を………それがおまえの父親からの最期の言葉だ」
もう何度目だろう、この夢を見るのは。
目の前の男、私の父親が印を結び始めた。
「名前、おまえは生きろ。生きておまえの使命を果たせ。それが我々竜堂一族の願いだ。念のため記憶と力の一部を封印する。……しっかり修行するんだぞ」
「元気でね、名前……」
私の両親と一族のみんなは悲しそうに微笑んだ。
そしてみんなは何処かへ消えて行く。
私だけを暗闇に残して……