海に誓う
□第2話
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あの海賊たちの後を追うと、彼らはすでに時計台に着いていた。
「これが羅神玉の欠片か」
海賊たちが見上げる先には、柵で囲まれた、年季の入った木製の大きな振り子時計があった。
振り子が揺れるごとにコッコッと心地いい音が辺りに響き渡る。
そんな時計の1番上に輝く小さな丸い玉、羅神玉の欠片があった。
「それじゃあ早速いただくとするか」
「そうはさせない」
私は海賊たちの前に立ちはだかった。
「なんだお嬢ちゃん?もしかしてこの時計の警備員のつもりか?アッハッハ!怪我したくなかったら引っ込んでな」
1人の男がそう言いながら私の肩を押した。
海賊の人数はそんなに多くないな。
10〜20人というところだし、これならすぐ済みそう。
「怪我したくなかったら?それはさ、こっちのセリフだって」
私は肩を押した海賊の鳩尾に蹴りを入れた。
ドゴォン!
私の蹴りを食らった海賊は、近くのお店の壁まで吹き飛んだ。
「なんだこいつ……!おいお前ら!やっちまえ!」
船長の合図で他の奴らが私に向かって来た。
私は海賊たちの間を素早く通り抜け、時計台の前まで来た。
そして柵を飛び越え、チャクラを足にためて欠片があるところまで駆け上った。
周りからはどよめきが聞こえたが、気にせず欠片を取った。
手のひらに収まった欠片を見ると赤色に光っていた。
「そこの女!すぐに欠片を戻してそこから降りろ!」
下を見るとこの時計台の警備員らしき下たちが大勢いた。
半分は海賊と戦っていて、もう半分が時計台の下にいる。
「はーい。じゃあ降りまーす」
私はクナイを取り出し、警備員の中に降りた。
彼らは私に銃を向け、次々と打ってきた。
それを私はクナイを使って跳ね返す。
後ろから敵が近づく気配がした。
前の敵と戦いながらかわそうと考えていると、後ろからうめき声が聞こえた。
「お前ら邪魔だー!」
振り返ると麦わら帽子をかぶった少年がいた。
周りを見ると警備員は勿論、あの海賊までもが倒れていた。
全てこの少年がやったのだろう。
「おいお前!」
「何?」
彼は敵を全員倒し終えると私の方を向き、呼んだ。
「お前、俺の仲間になれ!」