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□真面目にさせて頂きます
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煌帝国帝都内−−−−−




僕は今日から煌の文官として
働かせていただく事になった「燐」いう者です





私事ですが僕の話からさせて頂きます
元々僕の一族は
代々この煌に仕えてきました





しかし幼い子どもを城のなかにいれ
機密文書などを取り扱う文官の仕事をさせる訳にはいきません
ですから幼少期は勉学と体術修行に費やす事となります


そして17になれば一人前として
城に入れてもらえるのです


僕も先日17となり
帝都内に入城が許可され
煌に貢献できる日がやって来ました











あぁ…僕も、
僕もやっと一人前と認めていただけました
一生懸命努力してきた甲斐がありましたね…





しかも僕の直属の上司があの方だなんて…
なんてことでしょう
嬉しすぎます!


あの方に憧憬を抱く者は多く
部下になるとこは誰もが望むというのに…
僕があの方の部下になれるだなんてっ…

早く、早く行かなくては










僕がはやる気持ちを抑えながら足早に仕事場へと急いでいると




「そこの方」




ビクッ

え…
ま、まさか…







「そこの方、そんなに急いで廊下を歩いては危ないですし、みっともないですよ」






僕の憧れて止まない方がっ…!








名無しさん様ッ…!!!



「そこの方、聞こえていますか?」




はっ!




「あ、も、申し訳ありませんでした。
僕…あ、いや、私本日付けで司令官殿の直属の部下になります。
「燐」と言います。
挨拶が遅れてしまい本当に申し訳ありません。」





いきなり初対面で失敗してしまいました…
最悪です…

  




「あぁ…そういえば
今日から来る者がいると朝議に出ていましたね
貴方だったんですか…そうですか、
入ったばかりで不安も多いと思いますが私直属の部下なのですから、何か心配事や困った事があったら私に聞きなさい」



名無しさん様はニコッと僕に微笑まれると





「では燐さん、今日からよろしくお願いしますね」







ぽんっと僕の頭に優しく手をおいてくださいまいた










う、嬉しすぎて昇天しそうですっっ……!




僕は力強く返事をした




「はい!よろしくおねがいします!!」






この日僕はあまりにも嬉しすぎて
鼻の奥から少し鉄のにおいがした……























彼もまた少し変態的であった








名無しさんは煌では中々の役職についており
その仕事ぶりと白龍という主君に対しての尽くし方(白龍は尽くされている気がしていないが)から多くの文官・武官から敬愛されている





白龍と名無しさんのやり取りもどちらかといえば白龍に対して羨ましいと思っているとか…









それと名無しさん曰く
日頃の白龍へのあの抜けた態度は白龍の生真面目すぎるその性格が侍女や兵たちには接しづらいと思ってのことだとか

(しかし半分は嘘である
なぜなら白龍をからかっている時の名無しさんの顔は心底緩みきっているからである)









つまりは普段白龍の傍につけず
仕事をしているときの名無しさんは意外と
真面目に仕事をこなしていた



















(あ〜…
今日も政務がたまってんなぁ〜…
…今日中におわんのか?多すぎるだろ…これ、)
 

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