シリーズ
□お風呂事件
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それは、あるレガーロ晴れな日に起こった…
皆が朝食を食べ終えてそれぞれの仕事につこうとしたときエレナが唐突に口を開いた。
「おじょーさまー、ジョーリィとお風呂に入るにはどうすればいいと思う?」
「「「え?」」」
エレナはフェリチータだけに言ったつもりだがみんなの耳には間違いなくエレナの言葉が届いていて、驚きの声を上げた。
「どーして、みんな同じような、反応するんだろう?」
エレナは首を傾げていた。
「エレナ、今なんとおっしゃいましたか?」
フェリチータの隣にいたルカが顔をひくつかせながらエレナに聞き返した。
「だーかーらー、ジョーリィとお風呂に入るにはどうすればいいの?」
「そりゃ、普通にジョーリィに言えば…」
エレナの問いに答えようとするのはリベルタだった。
「待ってください、リベルタ、よく考えてください!ロリコンのジョーリィにエレナが『いっしょに、お風呂入っていーい?』なんて聞いたらどうなると思ってるんですか!?」
リベルタの言葉を遮ってルカは叫んだ。
「ルカちゃん、落ち着けよォ、まぁ、エレナはなんであんなジジィと風呂なんざに入りたいんだ?」
デビトはルカを軽く押しのけて、エレナに近づいた。
「それはね、パーパとマンマが好きな人と一緒にお風呂に入れるくらい仲良くなりなさいって、言ってたのー」
「なるほど、よーく分かったぜェ、原因はパーパとマンマかよ」
「てか、みんな必死になりすぎじゃない?」
デビトの隣に座ってラザニアを頬ばっているパーチェが言った。
「まったくだ、少しは落ち着け…」
パーチェの意見に被せるようにノヴァが言った。
「そんなこと言ってヒヨコ豆ーお前こそ内心焦ってんじゃねーの?」
「僕をヒヨコ豆と呼ぶな!それと焦る理由がどこにある!」
リベルタが挑発をしたせいでまたお馴染みのケンカが始まった…
「エレナ、エレナがもっと大きくなって、それでもジョーリィとお風呂に入りたいと、思ったらその時に入れるよ」
フェリチータはエレナの頭を撫でながら言葉を紡いだ。
「まだ、いっしょには入れないの?」
エレナは泣きそうになりながらフェリチータを見上げた。
「で、でも私とは入れるよ?」
フェリチータはカエレナを泣かせないように提案した。
「ほんとに?」
「うん」
「じゃあエレナ、おじょーさまと入る」
エレナは目元をごしごしと拭った。
「さすが、お嬢様です!!すばらしい案ですね!」
「そんなことないよ…さぁ、ルカ巡回に行こう!!」
フェリチータの一言でみんなは散るように仕事場へ向かった。
そんな、ぐだぐだで今日も1日が始まる。
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