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□君がいれば...
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私の幼なじみは怖がりだ。

お化けとか無理な人。

海も無理なくせに合宿に行くんだって。

当の本人は私の太ももに頭をのせて私の髪で遊んでる。

別に付き合ってるわけじゃない。

『ねぇ、マコ』

「ん?」

『海に…海に合宿行くんだって?』

「うん」

海って言ったら体が少しだけど強ばった。

やっぱり不安なんじゃない。

あの時、私とハルの手をぎゅっと握ってマコは怯えてた。

よくしてくれた漁師のおじいちゃんが死んで、もらった金魚も死んじゃって…。

あれ以来マコは海が怖かったんだ。

『無理して行かなくてもいいのに…』

「無理…してないよ」

『そう…なの?』

「うん、ハルや渚、怜、皆が居るから大丈夫」

そっかマコはもう私が居なくても大丈夫。

ハル達が居れば大丈夫。

ちょっと寂しい。

「それに名前がいてくれるでしょ?」

『うん、私はマコと居るよ』

「ねぇ…名前」

『ん?』

「好きだよ」

とても真剣な顔。

ねぇ、自惚れてもいい?

『私も好きだよ』

「俺たち両想いだ」

笑顔で言った君。

高校は別々で不安だったけど…。

もう大丈夫。

「付き合ってるから…我慢しなくていいよね?」

『なにっ……んっ』

触れるだけの軽いキス。

イタズラに微笑む君。

知らないうちに成長してた。

可愛い君はもういない。

不覚にもドキッとしてしまった。











君がいれば...
((それで幸せ))









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