えくそ本文2
□夢から覚めて
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「ジョンイナ、ジョンイナ…おい!」
「っ!!!!」
カッ!!と目を開けたジョンインは、はぁはぁと肩で息をしている。
夜中に隣でうるさいから起きれば、汗かいてうなされていた。
「ジョンイナ、どうしたの。怖い夢でも見た?」
「うっ、…ぐすっ」
頭を撫でてあげれば、現実だって理解したんだろう。でもボロボロ泣いて「スホヒョン、スホヒョン」って言うだけ。
「どうしたの?」
いつも心がけている以上の優しい声で聞けば、
「あのね」って喋り出した。
寝起きと寝付く前のジョンイナは、舌足らずになってかわいい。
「あのね、ヒョンが、目覚めたら、」
「落ち着いて言ってごらん」
「ヒョンが、」
「うん」
全部聞くのに何分かかったのかなぁ…
眠たくなっちゃったのは内緒ね?
簡単に言えば、夢の中で目を覚ましたら隣で寝てたハズのオレがいなかった。
リビングに居るのかな?ってリビングに行ってもいなかった。
トイレ、お風呂…どこを見てもいなかった。
でも他の兄たちは居て、誰もオレの事を覚えていないんだって。
聞いても「スホ?だれ?うちの総リーダーは、クリスでしょ」
寝ぼけてんの?って頭を撫でられたのが怖くなって、布団に包まって目を瞑っていたら自分を呼ぶ覚えがある声に恐る恐る目を開けた。そうだ。
「笑わないでっ!!」
「あはは、夢だよ?」
「…夢でもヤなの!」
「今一緒にいるでしょう?」
うー!と唸りながら抱き着いてきたジョンイナをポンポンと抱き返す。
「今日はずっと一緒にいて」
「はいはい。今日も明日もずーっと一緒にいるよ」
耳の裏にキスをすれば、やっと聞こえた笑い声にオレもようやく安心した。
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