えくそ本文2
□43.祈る
1ページ/1ページ
【43.祈る】
「寒い…」
夢うつつだったジョンイナを引っ張って部屋を出た時は、確か深夜2時。
いくらなんでも人はいないかなぁと来れば、意外とチラホラいる参拝者。
「ヒョン、寒い…」
モコモコのコートとオレがクリスマスにプレゼントしたモコモコの帽子で、羊みたいにモコモコして可愛いジョンイナ…って、可愛さ再確認している場合じゃなかった!
「早くお参りしよ」
コクリと頷いて握っていた手を握り直してる。
…まだ寝ぼけてるのかな?
ここ外で、めちゃってほどじゃないけど他の人もいるのに…気付いてないなら、いっか!
立札に書いてある通りに一礼して、二拍手、もう一度一礼して神さまにお願い事をする。
う〜ん…ジョンイナとこのままラブラブで、結婚して、子どもはふたりかなぁ?可愛いだろうなぁ〜女の子だったらジョンイナ似でクールビューティーさんで!男の子はオレ似で!
「ヒョン、なに笑ってるの?」
「え?笑ってた?あはは」
誤魔化すようにジョンイナの手を再び握って、歩き出す。
あ!甘酒売ってるじゃん!
寒い、寒い言ってるジョンイナに買って渡せば今年はじめてのふにゃり顔頂きました!!!
「ふぅふぅ…ヒョンは、なにお願いしたんですか?」
「えー聞きたい?お願い事って言ったら無効になるんだよねー」
「じゃぁ、いいです」
「わーウソウソー!聞いて!聞いて!」
「(どうせまた下らない事なんだろうな)なにお願いしたんですか?」
「うんとねー!ジョンイナと今年も変らずラブラブで、子どもはふたりで〜」
「ぶふぁ!」
甘酒を吹き出してむせてるジョンイナの背中をさすってあげてると、むせて赤くなった顔でキッと睨まれて(あ、今年初睨みだぁ)スタスタ帰える背中を追った。
「ジョンイナ〜待ってよぉ〜」
「な、なに子どもって////(途中までは同じ願い事だったのに!)」