えくそ本文2

□すれ違い *
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「ギョンス。どうなの?」


ソファーで寛いでいると、こっそり聞いて来たのはチャニョル。

同室だからチャニョルには、バレンタインのプレゼントの話をしていた。

からかわずに「楽しみだな!」って言ってくれて嬉しかった。


「んふふ、いい感じ」

「はぁ〜いいなぁ〜幸せものだなぁ〜」


ふたりでクスクス笑っていたら、「なんの話してるんですか?」ってジョンイナが飲み物持って隣に座ってきた。


「え、あ、その…」

「テレビの話だよ」


慌てるチャニョルと冷静に対処しようとするオレを交互に見て下を向いて固まっちゃった。


「ジョンイナ?」

「……」


固まったままのジョンイナの顔を覗き込めば、ボトッ、と涙が落ちてきた。


「え?ジョ、ジョンイナ?どうしたの?」

「あ〜…オレは席外すわ…」


気を利かせてリビングから出て行ったチャニョルに、ありがとうと目配せしてジョンイナに向き合った。

声を出さずに目をぎゅーっと瞑ってるけど、涙が零れている。


「ジョンイナ、どうしたの?」


言ってくれないとわからないよ。とちょっと冷たいかな?と思ったけど、本当にわからないから仕方ない。


「うっ、…」


あぁ、やっぱり冷たく感じたか。
声を出して泣き始めてしまった。


「はぁ…」


自分にイラっときて出たため息を勘違いして、リビングから出て行こうと立ち上がったジョンイナをソファーに戻した。


「…どこ行くの?話終わってない」

「うっ、だって…」

「だって何」


あぁ、また冷たくしちゃったかな…
ビクっと肩を震わしたジョンイナに申し訳なくなる。


「ほ、他に好きな、人が出来たなら…」

「は?」

「別れたいなら!そ、ういえばいいじゃんか!」


ボロボロ出てくる涙もそのままに、
よくわからない話をしてくるジョンイナ。


「コソコソ、コソコソして!電話したり、部屋に入れなかったり!」


あ、もしかして勘違いしてる?


「別れたいなら、」

「別れたいの?」


そう言えば、ビックリした顔から涙が溢れる目をゴシゴシ擦って辛そうな顔をしながら「やだ」「でも」とモゴモゴ言ってる。


「オレは別れたくないんだけど」

「で、も!」

「っていうか他に好きな人なんていないし。ジョンイナだけだよ」

「え、で、でも…」


ここでバラしちゃうのも恥ずかしいけど、仕方がない。このままじゃぁ別れ話に発展しちゃうからね。


「え?バレンタイン?」

「そ。後で見せたげるよ」

「え…じゃぁ」

「ジョンイナの勘違い。」


ギュウと抱き締めれば、ようやっと勘違いだったと理解してくれたみたいで抱き返して謝ってきた。


「あの、ヒョン…さっきは、」

「不安にさせてごめんね?びっくりさせたかったから黙ってたんだけど、結果的に泣かせちゃったね」

「ううん!オレも…ごめんなさい」


謝ってばかりのオレたち。
ふふふ、とオデコをくっつけて笑った。


「ふふふ、…って、ちょ…ギョンスヒョン?!」

「ん?オレの愛が足りないからジョンイナが不安になるんだろうなぁって思って」

「え?ちょ、んぁ…ふっ、ぁ」

「溢れる位にあげるよ」











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