いんぴに本文3

□Secret Sorrow
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〜ソンギュサイド〜









「ソンギュヒョンも人が悪いよね」

「…なに、いきなり」


今日はオフ。
出掛ける予定だったけど、キャンセルになったから宿舎でお留守番。
ウヒョンも出掛けると思ったのに、今日は雨だから家にいるみたい。他の弟たちは皆実家に帰ったり、遊びに行った。ホヤは実家に帰るって言ってたなぁ…。

昼飯もウヒョンと作るのは面倒だからってデリバリーにした。
喰い終わってまったりしていたら、突然のウヒョンの発言に飲んでいたコーヒーを溢しそうになった。


「ホヤの気持ち知ってて泣きついてんでしょ?」

「…なに」

「ホヤも優しいよね。傍にいるだけって」

「…ウヒョン、」

「見た事ないの?辛そうな顔してるよ?ソンギュヒョンと同じくらいに」

「ウヒョン!!」


オレの怒鳴り声にも怯まないでなおも続けるのは、本当お前くらいだよ。


「さっさと別れてホヤと付き合えばいいじゃん。喜ぶよ?」

「そんな、事、…出来るわけないだろ…」

「まだ好きなの?どこがいいのさ。今日だって逢う約束してたんだろ?」

「そうだけど、」

「逢ったとしても毎回毎回泣かされて、逢わなかったとしてもケンカして泣いて。ソンギュヒョン干からびるよ?」


ウヒョンの言う事はもっともなんだ。
ホヤに泣いている所を見られる前は、よくウヒョンが相談に乗ってくれていた。
まぁ、その度「別れなよ」って言われたけど。


「…、好きなんだ…」

「…オレはヒョンが泣いても慰めないからね」

「うん…ごめん…ウヒョナ…」

「あー!!もう、本当男見る目ないよね!」


オレの頭をグシャグシャにして、「コーヒー淹れてくる!!」ってキッチンに行ったのは、照れ隠しなんだろうな。


ウヒョンだって優しいんだ。

最初はウヒョンに愚痴を聞いてもらってスッキリしていたけど、それもいつからかモヤモヤは溜まっていくばかりだった。

そんな日ひとりリビングで泣いていてホヤに見つかったんだ。


あの日は、キレイな満月だったな…


なにも聞かないで傍にいてくれたホヤの泣き止んだオレへの言葉は、今も忘れないよ。


「ヒョン、ほら…月がキレイですよ。満月だけど…いまのヒョンにはスライムみたいに見えるのかな?」

「バ、バーカ!ちゃんと、まん丸お月さまだよ!ははっ」

「ふふ、本当?うさぎ餅つきしてんの見えます?」

「カニだろ」

「えーうさぎでしょ。ロマンないなぁー」






どれだけ救われたか、ホヤは知らないだろうな…。







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