いんぴに4
□ロイヤルヴィラ@
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ソンギュにヒョンとルームシェアする部屋が決まったって連絡すれば、「じゃぁ引っ越し祝いしよう」っていうから、部屋に招待した。
「え、…だ、だれこの人?!う、浮気?!」
サイテー!!って目で見てくるソンギュ。そりゃそうだよね。
こんなハッキリと見えたら、幽霊だなんて思わないよな…
「この人、人っていうか…、まぁ、幽霊」
「は、はぁ!?んなわけないだろ、こんなにはっきりしてんのに?!」
「はぁ…ほら、おばさん特技見せてやって」
『(別に特技じゃないのに)』
スゥっと消えたおばさんに顔が青くなるソンギュ。そう思えばすぐに赤くなって、涙目で睨んできた。
「こ、こんなマジックみたいな事までして…別れたいなら別れたいって言えばいいだろ!」
あー…ネガティブな子だと思ってはいたけど、そこまで展開させるとは…さすがソンギュ。
「なに、オレがなにしたっていうのさ!今日だって引っ越し祝いにご飯作ってきたのにっ!」
怒ると言いたい事止まらなくなるのも、どうにかしないとなー。だんだん今の状況と関係ない事に怒り始めてるし。
「この前だって、オレがちょっと遅れたくらいで怒りだして、浮気してんの?とか言ってきたくせに」
「ちょっと残業手伝って来ただけなのに、浮気とかって、ジンギは仕事してないからそうゆう事、」
「ソンギュ、」
オレが少し大きい声を発したらビクリと揺れた身体。本当かわいいなぁ。
「…仕事忙しくてメール返せないから?」
「へ?」
「電話とかたまに寝ちゃって取れないから?」
「ソンギュ…」
ポロポロ泣き出したソンギュを抱き締めて、
目じりにキスしてもいつもみたいに、恥ずかしそうに笑わない。こりゃぁ相当まいってるな…
「うっ、…別れたいなら、優しくしないでよ…ぐすっ」
「ソンギュは別れたいの?」
「いやだ…けどっ、」
ぎゅうっと抱き着いてきたソンギュを抱き返して、唇にチュっとキスすればさらに泣き出した。もぉ、どうすればいいのさ。
『えー私のせいですか?』
*******
「本当に幽霊なの……?」
ようやく落ち着いたソンギュにゆっくりちゃんと説明して、納得したようだ…よな?
今はクローゼットにいるおばさんをオレの背中に隠れながらも、ジーっと見つめてる。
「なんか未練があるみたいで、ね?」
『はい…スイマセン。ここ居心地がよくて…』
「……そう、なんですか……」
顔を近づけて来たソンギュにキスしたいのかな?ってキスしようとしたら怒られた。
なんだ、耳打ちか。
「ねぇ、」
「なに?」
「あの人、ジンギに憑いてんの?」
「え?…っていうか部屋?クローゼット」
「…ジンギを見る目怪しくない?っていうかあのセクシーな服なんなの」
「なに嫉妬?」
「バカ!心配してるのに…」
「そんなに心配しなくても大丈夫だよ。あの人無害っぽいし、ヒョンもいるし」
「そうかなぁ…」
心配性なソンギュを安心させる為に、これは一肌脱ぐしかないかな。
「ちょ、ジンギ?!」
「んー?」
「な、なにしてっ…やぁっ、んぁ、ダメだって…」
「なんで?」
「だ、って…ぁっ、あの人見てっ、」
チラリと後ろを向けば、身を乗り出してガン見してるおばさんと目があった。
「…ちょっとどっか行っててよ」
『…はぁい』
スゥーっと消えた。よしこれでOKだろ。
「扉勝手にしまった……」
「はい。こっちに集中してね。ヒョンいないし、久しぶりだもんね…可愛がってあげるから」
「ふぁっ、ジ、ジンギっ…ぁっ、」
『と、いいつつ隙間から見る私』
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