いんぴに4
□60.騙す
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【60.騙す】
「あれ?…ここだよな…」
ホヤと久しぶりのデートは外。
「待ち合わせとかしましょうよ」
って、言われてなんか楽しそうで時間をずらして宿舎を出て待ち合わせの場所に来たんだけど…
「もう時間だけど…」
あいつオレより先に出たクセになにやってんだよ!電話しても出ないし…
「場所間違ってるとか…じゃないよな」
昨日楽しみすぎて、携帯のカレンダーに『〇〇でデート!』と登録したんだ…。合ってる、合ってる。
…って、もう30分だけど!???
えー…マジで場所間違えてんのかな…まだ電話出ないし…もしかして、事故にあってたりしないよな…どうしよう…不安になってきた…でもオレ、リーダーだから連絡来るよね!
不安を打ち消してほしくて、ホヤに何回目かの電話するけどむなしく鳴るコール音。
「ぐすっ、ホヤぁ…」
どうしよう、本当に事故とかに…
「ソンギュヒョン?」
後ろから声が聞こえて、振り向けばびっくりしたような顔のホヤ。
お前なんで…
「なんで、ってココで待ち合わせでしょう?ソンギュヒョン早いですね?待ちました?」
「な!ま、待ったよ!お前30分も遅刻って何やってたんだよ!オレがどれだけ心配してっ」
「え、待ち合わせは10時半でしょ?」
「え、…10時だろ」
「半ですよ。10時じゃ早いから半にしようってヒョンが昨日言ったじゃないですか」
「そ、そうだっけ…?」
そうだっけ?あーでも、言ったかもしんない…
ギリギリまで寝ていたいからなぁ…オレの勘違いだったのか?
「で?オレが来ないから心配してくれたんですか?」
「な!!」
ニヤニヤ顔で近づいて来るホヤに肩パンチをして、さっさと行くぞ!と歩き出した。
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「…わー…オレが来なくて心配してんのかな」
「…行ってあげないんですか」
「わ、泣きそう!かぁわいぃ〜」
「ソンギュヒョン、可哀想…」
別の所に用事があったソンジョンくん。
物陰からソンギュヒョンを見つめるホヤヒョンを発見。
「なにしてるんですか?」と聞けば、「楽しそうにオレが来るの待ってるソンギュヒョンを観察中」「オレが来なくて、心配そうに辺りをキョロキョロするソンギュヒョンを観察中」という変態ホヤヒョン。
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