えくそ本文
□起きて?
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突然目が醒めた。
いま何時なのか確認すれば、夜中の2時。
再び布団に包まっても眠気は襲ってこない。
「はぁ…」
トイレ行って、キッチンでなんか飲もう。
同室のヒョンを起こさないように、こっそりこっそり部屋を出た。
靴下を履いてないからペタリペタリと自分の足音がシーンとした中に響く。
トイレを済まして、キッチンへと行ってミネラルウォーターをひと口。
いつもは煩いくらいのこの部屋も、シンと静まりかえって寂しい。
…なんか寂しい…。
あぁ、ヒョンに逢いたくなってきた…
ミネラルウォーターを冷蔵庫に戻して、
ペタリペタリ、と音をたてながらヒョンの部屋の前に立つ。
「…」
中からは動いている音はしないから皆寝ているんだろう。
よし!と心の中でガッツポーズをしながら、
こっそり音を立てないように部屋の中に入る。
…なんか悪い事しているみたい。
中に入って、目的のヒョンのベッドへ近づく。
「…ギョンス、ヒョン」
起きてくれないかなと願いを込めて呼んでみたけど、気持ちよさそうに寝息をたてているだけ。
それが寂しくて、ギョンスヒョンの顔を見たら自分の部屋に戻ろうと思ってたのに、ヒョンの布団に潜り込んでしまった。
さすがに横に人がいるのに不快を感じたんだろうギョンスヒョンの眉間には、シワが寄ってる。
「ヒョン…?」
唸っただけで、起きはしなかったみたい…
ちょっと起きて欲しかったボクは、ちょっとガッカリ。
はぁ、とため息を吐いてギョンスヒョンをジっと見ていたら、グイっと抱き込まれた。
「え…?え、ヒョン?起きたの?」
抱き込まれているので、ここから見えるのはギョンスヒョンのアゴだけだけど、スースーと寝息をたてているのはわかる。
寝ぼけているだけ?
本当は起きて欲しかったけど、寝ぼけてても抱き締めてくれたのが嬉しくて、ギョンスヒョンにすり寄った。
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スースーと寝息をたてたジョンイナから身体を少し話して寝顔を見つめる。
突然部屋に来て、人を起こそうとするからこっちもイタズラしてやろうと寝たふりしてたらなんだか神妙な顔をしているから思わず手が伸びて、抱き締めちゃった。
「お前は、…まったく」
何しに来たのかは知らないけれど、
あんな顔されたら、さ。
さっきの神妙な顔から一転、
幸せ〜って顔しているジョンイナにキスをして
起きないかな?って見つめるけど、ふにゃって笑うだけ。
その顔に弱いの知っててやってんのかな?
ふにふにと頬っぺたを摘まんで、
またキスするとすり寄ってきたのに満足して
もう一度抱き締めてオレも眠りについた。
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