いんぴに本文2

□舞い降りた天使…?
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「だぁぁ!!ウヒョナ!牛乳は出したら冷蔵庫に戻せっていってんだろ!!」

「ちょ、ソンギュ声大きい〜お隣さんから苦情来ちゃうよ?」

「隣なら引っ越したよ!ついでに下もな!」


なんでか知らないけど、相次いで右隣と真下の人が引っ越していった。オレの部屋は2階の角部屋だからこれで、物音とか気にせず暮らせるからいいんだけど…


「え〜なんでたろうね?」


ニコニコしながらフワフワ浮いてるのは、自称天使のウヒョン。
羽はあるがイミテーションらしく、脱着式だ。

なんで飛べんの?と聞いたらティンカーベルに魔法の粉を振りかけてもらったの!と頭の痛い答えが返ってきたから、ツッコまないでおいた。


「お前がうるさいからじゃないのか?」

「えー?!小さい時のオレの声はソンギュにしか聞こえないよ?」

「バタバタと物倒して飛んでんだろうが!」

「ぎゃっ!ソンギュ!羽引っ張らないで!コレ結構高かったんだから!」

「どこで売ってんだよ!!」

「秋葉原!」








***



こんなアホな自称天使は、ある日突然オレの前に現れた。


残業が終わり家に帰ったのはもう1時過ぎ。
歩いていける場所に会社があるから、尚更残業をさせられてこんな時間。

疲れた身体で、でも明日は休みだと思いながらご飯も食べずにスーツを脱いでそのまま眠りについた。



翌朝、休みだとわかっていても身体は日々の習慣を忘れずに目を醒ましてしまった。

このまま寝るのも悪くないかな、と思ったけどもう食材がないはずで近くのスーパーに買い物に行かなきゃならない。
で、買うなら少しでも安い物を買いたいから、
セールの時間に行きたい。

…今日は土曜日だから開店はいつもより早くて9時…今7時だから起きて、シャワーに入って着替えて出ればちょうどいいかも…


のそりと起きて背伸びすると、
カーテンの向こうから気持ちのよい日が射し込んで来る。


ん?なんか影が…


カーテンの向こうになんかデカい虫のような影がある。


窓の外だよな…

ジッと見つめていると、影がくるりとこちらを向いたのがわかった。



は?こっち向いた?



驚きに目をゴシゴシとかいていると、
カーテンがシャ!と開いて、手のひらサイズの人が出てきた。


「お!起きたの?おはよー今日はいい天気だね!」


寝ぼけてんだな。

うん。蛾だ。蛾。デッカい蛾。

もういいや。今日は、昼まで寝よう。


「ちょ!なんで、カーテン閉めるの?!ねーねーまた寝るの?起きないのー?」



ユサユサ揺さぶられるけど、これは夢だ。

うん。だんだん眠たくなってきた。





















「あっ!起きたー!もうお昼過ぎちゃったよー?」

「…まだ夢なのか、」

「えっ?えっ?なんでまた布団被るのー?!」






こんな出会い方。

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