びとび本文

□恋の味を教えよう
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「ソンジェってキスした事あるの?」


いくらヒマだからって、可愛い思春期のマンネになんていう質問するんだ。ミニョギヒョン!


「ねぇ、ねぇ〜」


ボクが素直に言うと思ってんの?
言った途端ヒョンたちにからかわれるのわかってんじゃん!


「黙秘?怪し〜い!した事ないんでしょ〜!」


そうゆうヒョンはどうなのさ!!って口に出る前に気付いた…この顔でした事ないとか詐欺でしょ。キスもそれ以上の事も。


「ねぇ、した事ないなら教えてあげようか?」

「は?」


あまりにもバカらしくなって来たから、顔を逸らしていたんだけど、気付いたらソファーに押し倒されて上にミニョギヒョンが乗っかっていた。


「ちょ、ヒョン!重い!!」

「ムードないなぁ〜これからキスしようってんのに」

「は…キス?」


モムチャンのヒョンに敵うわけなくて、ガッチリ押さえられて動けない。

え、なにボク、ファーストキスをヒマをもて余したヒョンに奪われるの?!

せめてもの抵抗で、顔をイヤイヤと振るけどそんなの片手で止められた。(ちなみにいつの間にか両手は上で片手で拘束)


ゆっくり、男でもカッコいいと思ちゃうミニョギヒョンの顔が近付いてきて、チュと可愛らしい音を立てて唇にキスされた。


「な、な…っ!!」

「あは、顔真っ赤。可愛い〜」


ふざけんな!って言ってやろうと口を開いたらまたキスされて、今度は舌まで入ってきた…

なにこれ、新しいイジメ?


「んんっ、ん、んっ、」


ヌルリ、と人の口の中を動き回る舌に、頭が沸騰しそうな気になってくる。


「ははっ、気持ちいい?」

「ふぁっ、…もぅ、やめっ」


いつの間にか拘束されてた手は離されて、ボクの頭をガッチリ固定してる。

ボクも両手が開いてるんだから、抵抗すればいいんだろうけど、全然身体に力がはいらなくてヒョンの肩に手を置くので精一杯。

どれくらいキスされてたんだろ?
多分時間でいったらそんなに経ってないんだろうけど、ボクには一生分のキスをした気分。


「ソンジェ、目トロトロしてる」

「ぁっ、…」

「ふふ、ソンジェのはじめて奪っちゃった〜」


沸騰していた頭もキスが終われば冷めてくるけど、まだぼんやりする。

アホな事言ってるミニョギヒョンに文句のひとつも言ってやりたいけど、肩で息するくらいなんか疲れちゃってるからムリだ。

やっと身体の上から退いたヒョンを見ていると、ふっと笑ってまたキスされた!!


「またしようね、キス。可愛いソンジェヤ」

「っ!!!…もうしません!!!」

「あはははは〜」


近くにあったクッションを渾身の力を込めて投げるけど、全然飛ばなくて空振りに終わった。

逃げて行ったミニョギヒョンは、練習室から出て他の部屋に行ったみたい…。


「なんなの…」


気分を変えようと学校の課題を手に取るけど、ムリ。手につかない。どうしてくれんの。













その日からボクの頭を支配するのは、ミニョギヒョンとのキスばっかり。

なのに、ヒョンは「またしようね」って言ってたクセにしてこないし…って、ボクもキスしたいみたいじゃんか!!




あぁ〜…もう!!!



どうしよう…
ボク、ミニョギヒョンの事好きになりそう…







@heekyu
 

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