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□05.望む
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【05.望む】
「ゴホっ、ゴホっ…」
最悪…
せっかくの休みなのに、風邪を引いてしまった。声が出ない。
「ソンジェ〜?大丈夫?」
「ヒョンシク、ヒョン…?」
今日だけはウングァンヒョンのベッドを使わせて貰っていたボクの隣に腰掛けたヒョンシクヒョン。
「なんか欲しいものある?買ってきてあげるよ」
「…ほしい、もの…」
ない?ってオデコに張り付いてる髪の毛を撫でるヒョンを見つめる。
今ここで、ヒョンが欲しい。って言ったら、熱でうなされてるとでも思われるのかな…。
「ん〜?」
うなされてると思われたほうがまだいいのかな…?今この状態でフラれたらボク多分、死んじゃう。
「…アイス…たべたい、です…コホっ」
「よし!わかった!買ってきてあげるね!」
頬っぺたに軽くポポして、颯爽と買いに走ったヒョンシクヒョン。
アイスなんていらないんだ。
ヒョンが傍にいてくれたら、…。
「ヒョン、傍にいて…?」
「ん?人恋しいのかな?かわいいなぁ」
「(本当に鈍い人…)」