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□46.眩う
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【46.眩う】
うちの可愛いマンネが倒れたって聞いて慌てて帰れば、たんなる目眩で側にいたヒョンシクが支えてくれたからケガもないよ!
ってウングァンにそう説明されたけど、この目で確認出来るまで落ち着けなくて、靴もまともに脱げなかった。
「ソンジェっ!」
「あ、ヒョン、しー!」
足をもつれさせながら入った部屋には、眠っているソンジェ…とヒョンシク。
眠ってるから静かにして下さい。って言われて、素直にウングァンのベッドに寝てるソンジェの横に座った。
「お医者さんの話では、疲れからじゃないかって。夜更かし、してるんじゃない?って」
ソンジェ夜は早く寝る子なのにってヒョンシクがブツブツ考えてる横で、背筋に流れる汗…
毎晩毎晩、オレの相手させられて学校行って、練習してって…大変だよな…
目、ほとんど開いてないような感じで学校行ってたし…
「んっ、…」
「ソンジェ喉乾いてない?」
「だい、じょうぶです」
「なぁヒョンシク〜!これさぁ!」
「もう!病人がいるのに!」
ヒョンシクが呼ばれて出ていって、ソンジェに向き直せば、えへへっと鼻の頭をかいた。
「貧血みたいで…」
「ごめんな…無理させてたみたいで」
サラリと指通しのいい髪を撫でれば、涙が出てくる。
「ヒョ、ミニョギヒョン!」
「ソンジェがいなくなったらヤダ…ごめんもうシない…」
「シないって…無理でしょ?」
「ううっ…」
自分の性欲がムカつく。
でも、こんな可愛い子がいたら襲っちゃうよ!練習で汗ダラダラでハァハァ苦しそうにしてるクセに目があったら、ふにゃって笑うんだもん!襲うさ!
お風呂上がりのいい匂いの身体と、上気したほっぺたが目の前にあったら襲うでしょ?!
「毎日、はさすがに多いから…週1にしましょ?」
「週2」
「ヒョン…」
「ごめんウソ!」
ソンジェを心配してるのは本当だもん。
あれだけ練習した後でもオレの相手させてたら今度は貧血だけじゃすまないかも…
ポロポロ零れる涙を袖で拭っていたら、下から裾を引っ張られて、
「ボクもシたい時あるし…その時はシましょうね////」
もう!こう可愛いから毎日理由を付けては手を出されていたって気付いて!!
いい雰囲気だったから、キスしちゃおーって顔を近付けたらヒョンシクがスポーツドリンクとなにやら小皿持って帰って来たから不発に終わった。
「ねぇ、ソンジェ貧血防止に小松菜食べよう」
「……////」
「油揚げと炒めてみたんだぁ〜」
「…う、はい…////」
「(ヤり疲れなんですって言えないよなぁ…あぁ〜可愛い)」