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□78.手に入れる
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【78.手に入れる】



「セヨニヒョン?」


どうしたの?って無防備に顔を覗き込んでくるから本当やめて欲しい。

なんでもないよ。って言えば、そう?って離れて行ってしまった。

姿が見えなくなってから今度は床に寝転んだ。


「あー…もぉ…」


タクヤが好きだ。
そう気付いたのは最近。
気付いたらそりゃ、もう楽しかった。
少し手が触れれば喜ぶし、一緒に笑え逢えれば幸せになれた。
でも同じく弟たちと触れ合うタクヤを見るのは辛くて、さっきもそれをガッツリ見ちゃって只今落ち込み中。

シンとタクヤが仲がいい事なんてずっと前からだろ?
オレが合流するまえから…


「はぁー…………」


練習室に木霊する自分のため息にさらにテンションが下がっていく。


「ヒョーン」


声と共に顔にピトリと冷たい感触。
思わずあげた小さな悲鳴と共に後ろを振り返れば、ニコっと笑うタクヤだった。


「はい。ジュース!ヒョンの分も買って来ましたよ」

「え、あ、りがと」


起き上がって座りなおせば、隣に座ってジッと見つめてくるタクヤにさっきまでの落ち込みようはどこへ行ったのか、テンションが上がってくる。


「ね、セヨニヒョン」

「な、なに?」


首を傾げて見つめてくるタクヤを可愛いなぁって、その先の言葉を待っていると、どんどんその可愛い顔が近付いて来るなぁって…

あれ?

ん…??

んんん!???オレ、タクヤにキスされてる!?

ただ触れ合ってただけだけど、最後にはチュ、と音を立てて離れた。


「ヒョン元気になりました?」

「え、」

「なってません?…もう1回するか…」


ポツリと聞こえた呟きに焦って、「大丈夫!」と慌てれば「そう?」ってにこやかに練習室から去って行った。


「え…なんなの…////」


これって期待していいって事なのかな?
次にサンミンに「大丈夫?」て聞かれるまで床でのた打ち回っていた。








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