えくそ本文2
□29.抱きしめる
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【29.抱きしめる】
なんだよ。
起きて待ってる!とか言ってたクセに…
すぅすぅと寝息を立てているジョンイナの横にドカリと座っても気付かない。
「はぁ…」
顔にかかっている髪の毛を払ってやる。
ポリポリと頬をかくジョンイナは、可愛いけど約束を守らないのは可愛くないなぁ…
起きないかなぁと頬をツンツンつついても、
ううん…と言うだけ。
「ジョンイナ〜!!」
もうどうにかしてでも起こしたくなってきて、
ユサユサ揺さぶればようやっと目を擦りながら起きた。
「…てみ、ん…?」
やっと起きたかと思って、少し出ていたヨダレを拭ってやってると突然抱き着いてきて、後ろに倒れそうになって焦る。
「ジョ、ジョンイナ…?」
「んんー!てみなぁ〜おかえり〜」
肩にオデコをグリグリするジョンイナなんて、一緒に住み始めて3ヶ月。
付き合ってもうすぐ1年だけどはじめてで、どう対処すればいいのかわからなくて固まっていると、
「てみな?…ただいまのチューは?」
「チュー?!」
どっちかが外から帰ってくると、
オレはおかえりのキスをするんだけどいっつも嫌がるあのジョンイナがチュー?!!
「チューは?…してくれないの?」
「ちょ、ジョンイナ?!ちょ、まっ…んむっ」
キスを要求してくるのも、自分からしてくるのも珍しいってのにこの状況はオレ的にめちゃくちゃ美味しいだろ!という事で、本格的に乗っかる事にした。
「んんっ、んぁっ、ふっ、」
いつもは恥ずかしがって積極的なキスなんてしないジョンイナが、自分からも積極的に絡めてきてオレもどんどんテンションが上がってくる。
ジョンイナの服の中に手を忍ばせてイジっていると、さっきまで積極的だったジョンイナの舌使いがどんどんゆっくりになって、ついに止まった。
疲れた?
と、思って顔を覗き込めば
すぅすぅ寝息を立ててるジョンイナ…
「…ジョンイナ?」
「んんっー、…すぅすぅ…」
え、…寝ちゃった?!
っていうか、もしかして寝惚けてたの?!!!
「え…ちょ、マジで…?ジョンイナ〜?」
揺さぶってみてもさっきみたいに起きてくれない……どうしてくれようか、この勃ち上がったモノは!!
さすがに、スヤスヤ寝ているジョンイナを抱く気にもなれなくて大人しく隣に寝転ぶ。
「んん〜…て、みな…」
擦り寄ってきて、居心地いい場所を見つけたのだろう。ふにゃぁ、と笑ってまたスヤスヤ寝始めた。
「なに笑ってんのさ…くそ!可愛いな!おい!」
やっぱり起きろ!!!
という声は、ジョンイナの夢の中には届かなかったみたいだ。
「テミナ?なに朝から怒ってるの?」
「うるさい、バカ!」
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