えくそ本文2

□誰のせいで
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ボスボス枕を殴る。

可哀想にボコボコなった枕を撫で付けて、再び左手でボスボスと殴る。

吹っ飛んだ枕を拾い上げて、もう少し殴ろうと思わず出た利き手…あ!と思った時はもう遅くて、ピキリと走った痛みに更に怒りがフツフツと燃え上がる。


「ジョンイナ〜暗っ!何これ!もう寝たの?」



ノックもなしでテンション高めに入ってきたチャニョルヒョン。オレの返事も聞かずにベッドに腰掛けて「なんだ起きてんじゃん」と頭を撫でてきた。


「どした〜?」


顔を覗きこんできたけど、プイっと逸らす。

オレがなんで、怒ってんのかわからんのか!

何がどした〜?だ!アンタのせいだ!!!


「ん?…手首!やっぱり痛かったの?!」


持ち上げられた右手には、ギョンスヒョンが貼ってくれた湿布とレイヒョンが巻いてくれた包帯。

やっぱりって、なんだよ。見てたのかよ…

オレがすっ転んだの…


「ジョンイナ?痛いの?」


そんなマジで心配した顔しないでよ。
大した事ないよ。ちょっと捻っただけで、ヒョンたちが大袈裟に湿布とか貼ってくれただけで…

心配されるのは嬉しいけど、誰のせいでこうなったと!っていう思いのほうが強くて枕を掴んでボスボスとチャニョルヒョンを叩いた。


「いたっ!…ちょ、痛い!痛いってば!」


手首を掴まれて電気が走ったみたいにビリっときて顔を顰めれば、ごめん!って離してくれたけど、今度は腰に腕を絡められて身動きが出来ない。


「まだ痛い?」


フルフルと頭を振れば、よかったぁと抱き締められた…


「で?どしたの?オレが何かしたなら言って」


目を逸らせないように頭と顎を固定。
…なんかアレが原因です。って言ったらオレからかわれる…かな…


「ジョンイナ…」


キスしちゃえそうなこの距離で、そんな風に見つめないで欲しい…重かった口も簡単に開いちゃうじゃん


「ヒョンが、…」

「オレ?」


恥ずかしくなってきてチャニョルヒョンの服の裾をニギニギしながら、一気に言った。


「は?…え、聞き取れなかった」

「…っ!だ、だから!ヒョンが始まる前に触るから!!」

「始まる前…?触る…って、…え?もしかして、あれ?」

「そうだよ!!」


本番前の1列に並んでの待機中。
オレの後ろのチャニョルヒョンが、振り付けの様に胸をまさぐる様に触ってきたのだ!!

集中したいオレにとっては最悪で、はらってもはらっても胸を触りにくる手にすっかりペースを崩されてしまった。(便乗してイタズラしてきたクリスヒョンも同罪)
そんなんで、ちょっとした段差に足を取られてすっ転んでしまった…。


「え、…感じちゃった?」

「は?」


ごめんね!のひと言だと思っていた第一声は、信じられないひと言だった。


「そっか、ジョンイナ敏感だもんな…」

「え、ちょ、」

「そっかぁ、ごめんね!オレのせいで!」


聞きたかったごめんの意味が違う気がするけど、…まぁ、いっか…って!ちょっと!!

なんで押し倒されてんの?!!


「な!な、なに!?」

「ん?すっ転んだお詫びしようと思って!」

「お、お詫び?!い、いらないから!」

「え〜?だって不完全燃焼でしょ?」


このヒョン何行ってんの?!
ちょっと!服の中に手突っ込むな!!


「あ、あんまり胸揉んだらダメかな?またあの振り付けしたら感じちゃうよな…」

「ふぁっ、ヤ、ヤメ…」

「止めないで?もぅ!エッチなんだからぁ!」










誰かこのヒョンを止めて!!!

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