えくそ本文2
□新婚旅行 *
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「テミナ!早く早く!」
「そんなに急がなくても大丈夫だよ」
「日本の電車は乗り遅れたら死ぬぞ!ってチャニョルヒョンが言ってたもん!」
「…とりあえず死なないから走るなよ。転んじゃうよ」
キュ、と手を繋げば途端に黙っちゃって…可愛い〜振り解かないしっ!
やっぱり旅行は日本にしてよかった。
韓国なら手とか繋いでたらマズイもんねー。(日本でもマズイと思いますが…)
余裕で電車に乗れたし(っていうか指定席)平日だからか人もまばら。
誰もボクたちを知らないみたい。
「わっ、テミナ見て見て!アレなんだろ!」
昨日オニュヒョンに「テミンの事は任せて下さい!」って豪語してたのは誰ですかー?
チケット取ったのもボクだし、旅館の予約取ったのもボクだよ?
「テミナ、アレって富士山?富士山かなぁ?」
ミノヒョンに「テミンは子どもだから見てあげてね」って言われて「はい!」って元気にお返事してたのは、誰ですかー?
窓の外を見てはしゃぐのは、子どもじゃないんですかー?
「テミナ?」
目キラキラさせちゃって。もぅ可愛いなぁ。
どうせ誰も見ても気にもしていないから、引き寄せられるようにキスしようと顔を近づけたら、
『切符の拝見いたしまーす!!』
…いい度胸じゃないか…。
*
『では、ごゆっくり』
仲居さんが出て行けば、ソワソワしていたジョンイナはわー!っと部屋の中を探索しはじめた。
「テミナ!テミナ〜!スゴイよ!外にお風呂ある!露天風呂!」
「スゴイでしょ?ボクらだけのだよ〜」
「スゴイ〜!かけ流しだぁ!」
ココでエッチする為に部屋に露天風呂ある旅館を探したんだから!
キュヒョニヒョンに聞いたら、ココは?ココはどぉ?って沢山教えてくれた…ヒョンさすがです。
「どうする?もうお風呂入る?」
「う〜ん…お土産屋さん行こうよ!ヒョンたちにお土産買わなきゃ!」
そうだよねぇ…今お風呂入ったらエッチして→ジョンイナ立てず→次の日寝たきり(不貞腐れる)になる可能性大だもんね…。
うん。お土産見に行こうか!ボクもヒョンたちにお土産買わなきゃ。
あ!でもその前に〜くふふ!
「ジョンイナ〜どぉ?出来た?」
「ん〜…これであってるのかなぁ?」
「…か、」
「か?」
「かわいいいいいいい〜!!!」
ギュウギュウ、抱きしめて離れて写メ写メ!
「やめろよ…」って照れてるジョンイナも可愛い!仲居さんに浴衣用意してもらっていて良かったぁ〜!ジョンイナに折角だからって言えば、そうだな!ってニコニコ着替えてくれた。
「はぁ、可愛すぎる…とりあえず写メは終わりにして行こうか!」
「とりあえず?…まぁ、いいや行こう」
お土産屋さんは、ズラーと並んでいてただ見るだけで入っても、ニコニコ顔のおばさんたちが「あらーカッコいいわねー!外人さん?コレもお食べ!コレもお食べ!」と試食用のお菓子やお饅頭や漬け物など色々食べさせてくれた。
ボクは少し日本語わかるから「ありがとうございます」って受け取るんだけど、
わからないジョンイナは「???」ってなりながらもボクに続いて、ふにゃりと笑いながら拙い日本語で「ありがとうございます」って言えばまたそれが可愛くておばさんたちにいっぱい貰っていた。
「お腹いっぱい…」
「あはは!いっぱい食べさせられてたもんね」
テーブルに突っ伏すジョンイナは、断ればいいのにニコニコ笑って差し出された試食を全て食べた。今更「どうしよう…晩ご飯食べれないかも…」って心配してる。
あ、ボクいい事思いついた!
仲居さんに夕飯の時間の変更をつげて、ジョンイナの手を取ってお風呂へゴー!
「え?テミナ?なに?」
「お風呂入ろ」
「今から?ご飯来るんじゃなかったの?」
「大丈夫時間ずらして貰ったから。それに食べられないでしょ?」
そうだねって疑う事もしないで、流石に歩いただけだけど汗もかいたんだろう。素直に浴衣をスルスルと脱いでいく。
うわー。旅行マジックだぁ。
だって、韓国じゃ一緒にお風呂入りたい!って言ったら「バカじゃないの?!ひとりで入れ!」って叩かれるもん。
エッチした後のぐったりしてるジョンイナなら一緒に入ってくれるんだけどねー
「テミナ髪洗ってあげる」
「!!!」
デレだ!今日はデレの日だ!熱血大サービスのデレの日だ!!
うほっ!ど、どうしよう!?勃ちそ、…こほん、スイマセン…
「気持ちいい?」
「ん、気持ちいい〜えへへ…なんか新婚旅行してるみたいだよねぇ」
「え…?」
「だってさぁ〜旅行して、一緒にお風呂入って、一緒にご飯食べて〜一緒に寝るでしょ〜?新婚さんみたいじゃない?」
「…バ、バカ…流すぞ!」
「わっ!ちょ、目に入った!」
「知らん!」
痛みを堪えて目を開ければ鏡越しのジョンイナが、顔を真っ赤にしているのはお風呂のせいじゃないよね?
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