えくそ本文2

□ファーストキッス *
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「テ、テミニ…マジで泊まるの?」

「うん。だってもう電車も止まってるし、タクシーとかお金かかるじゃん」

「そ、そうだ、ね…」


テミンと練習に明け暮れていたら、
気付けばド深夜になってた。
テミンが言ったように、もう電車は止まっているし、タクシーに乗れるほどお金もないし…お願いして事務所に泊まる事になった。


毛布は借りてきたし、寝る場所も確保した。
っていっても寝る所は狭いボーカル練習室だけど。


「こんだけ敷けば身体も痛くないでしょ」

「う、うん」

「ほら電気消して、」


練習室の電気を消すと当然な事だけど、真っ暗になる。


「ジョンイナ、こっち」

「わぁ!!」


真っ暗な中、
手探りで探していたら、グイッと引っ張られてこける!!と手を付けば、テミナの腕の中だった。


「び、びっくりさせんなよ!」

「ジョンイナ、」

「な、なに…」


いつものテミンじゃない、真剣な顔…
なんてゆーの?男っぽいっていうのかなぁ…
いつもフワフワ、ニコニコしてんのに…


「ねぇ、ふたりっきりだね」

「は?あ、あぁ…そうだな」

「いつもはジュンミョンヒョンがジャマしてくれてたから」

「ん?なに、よく聞こえなかった」

「なんでもな〜い」


ふたりで毛布にくるまって、さっきまで練習していた振付けの話や新しく入った練習生の話だとかしてた。
で、最近練習生男子Aと練習生女子Bが付き合ってるらしいっていうテミンの話に興味が湧いちゃうのは、やっぱり年頃だから。


「マジで?!うぁ〜そうなんだぁ」

「うん。だってキスしてんの見たもん」

「キス?!み、見たの?テミナ」

「うん。こーやって、近付いてさ…」

「え、あっ、」

「顔近づけて、…」

「テ、テミ…」

「チュッ!って、してたよ」

「そ、そ、そっか!」


ビックリしたぁ…テミナが真剣な顔で近付いてくるから、キスされるのかと思っちゃった…ってなんてそんな事思うんだよ!ないよ!!オレ男だし!!


「ジョンイナはキスした事ある?」

「…ないけど…テミンはあるの?」

「オレもないよ」


よかった。オレだけじゃなくて!
でも彼女いないし、今の所つくる気もないし…いつになるかなぁ〜オレのファーストキス。


「ねぇ、練習してみない?」

「え?」

「彼女出来た時にヘタだったら笑われちゃうじゃん」

「そうかもな…」

「オレと練習しない?」


起き上がったテミンに身体を起こされて、向かい合う。え、マジで?練習すんの?でもキスの練習ってなにすんの??


「練習ってなにすんの?」

「目閉じて」

「…ん、」


ん?目閉じて…
練習…キスの練習って…


「テミ、んっ!」

「…もぉ…目開けちゃダメじゃん」

「な!なにして!!////」

「えー?キスの練習しようって言ったじゃん」

「なっ、なっ!」


オレの腰を抱いて近づいて来るテミナは、本当にオレの知ってるいつもニコニコ笑ってるテミナ?


「んっ、んんっ!」


ぎゅー!と目を瞑って現実逃避しようとしたけど、ムダだった。ヌルリと割って入ってきたテミンの舌に翻弄されて、女の子みたいな声が自分から出てきて、恥ずかしすぎる。

なにコレ、気持ちよすぎる…


「んっ、んぁっ、」


歯列を撫でられてアゴ裏を擦られると、身体がビリビリして力が抜けてテミンに凭れかかっちゃう。


「ジョンイナ…」

「んっ、ふぁっ、テミナ、」

「…どぉだった?」

「え?…あ、」

「気持ちよかった?」

「う、…うん////」


テミンがいつもみたいに笑って「またしようね」って頬っぺたにキスして背中を向けて寝ちゃった…

なんなの、もぉ…

モヤモヤする胸を静めながらオレも毛布にくるまった。










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