えくそ5

□七夕
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「ジョンイナ、なんて書いたの?」

「あ、ダメ!!見ちゃダメ!!」

「ふふっ、別に見ないよ。早く飾りな?」

「スホヒョンは、もう飾ったの?」

「うん。みんな健康に過ごせますようにって」

「…おじいちゃんみたいです」

「セフナ〜なんだって?」

「痛い!痛い!!助けて〜!!」

「なにやってんだか…おージョンイナ、一番上に飾ったのか」

「見られたくないから」

「はは、誰も見ねーよ」

「ベクヒョンは届かないもんね」

「椅子に乗れば届くわ!この野郎!やっぱり見てやろうか!」

「わぁ!やめて…わわ、」

「…あぶな…おい、落ちる所だったろ。椅子に乗ってるやつからかうなよ」

「あ、ありがとうチャニョルヒョン」

「だってージョンイナがイジメるんだもん」

「はいはい。ジョンイナ、短冊飾ったのか?」

「うん。ヒョンは?」

「飾ったぜー」

「ダンス上手くなりますようにってか?」

「書いてないし!!そうゆうお前はなんて書いたんだよ!」

「えー『バラエティのMCやりたい』」

「…お、おぉ…現実的だな…」

「おーい。誰か手伝って」

「はーい。…わぁ、今日はチラシ寿司?」

「ふふ、いいでしょ?」

「ねぇ、ギョンスヒョンは書いたの?」

「書いたよ。『みんな健康で幸せでいられますように』って」

「…スホヒョンと一緒…」

「えー…変えようかな」

「なんで!ギョンス、なんでオレと一緒だと変えちゃうの!?」

「はぁ、…はーい。ご飯ですよー」

「ギョンス?!」

「わーい。チラシ寿司だぁー」

「いただきまーす。…そういえば、セフナはなんて書いたの?」

「ボクですか?『休みが欲しい』って」

「…普通。」

「面白くない」

「お願い事に面白さ求めないで下さい!」


今日も楽しい夕食。







************



深夜。


「あ、やっぱり窓開けっ放し」


戸締り確認してよかった。
まぁ、窓から入ってくる人なんていないだろうけど。


「…あれ、だれかの短冊落ちちゃってる」


結びが甘かったのか、風のせいなのかフローリングに赤い短冊が落ちている。

赤い短冊って、…ジョンイナか。
見られたくないから、1番上に付けたクセに詰めが甘いんだから…そうゆう所が可愛いから弟扱いが抜け出せないんだよね。


「ふふ、結び直してあげようかな」


いつも雨の七夕が今年は星はココからはあまり見えないけど、晴れ渡っている。
お願い事も叶いそうな気にもなってくる。


「椅子、椅子」


笹の傍に椅子を置いて、結び付けようとした時に思わず見えてしまったジョンイナのお願い事。本当に見るつもりはなかったのに。
見た途端、涙が零れてきた。


「…ははっ、…ジョンイナ…」


こんなの見たらオレ以外のやつだって泣いちゃうよ。
みんなの泣き顔なんて見たくないから、1番上の天に向かって見えるように結び付けて、しばらく涙が止まるのを星を数えて待った。












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