えくそ5
□あのキスを忘れない
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映画でのキスシーンを観ていて、ふと思い出した事。
ジュンミョニヒョンとの初キス。
こんな時に思い出しちゃって、不自然に顔が赤くなるのを隣のジュンミョニヒョンにバレていないか不安になるが、ヒョンは映画に集中していて気付いてないみたい。
「えー、ジョンイナ、キスした事ないの?」
そんなチャニョルヒョンの一言に顔には出さなかったが、思いのほかショックを受けた。
だから、ジュンミョニヒョンとふたりきりになった時にこっそり聞いてみたんだ。
「ジュンミョニヒョン…ねぇ、キスした事…ある?」
「ぐ、ごほっ、…は、はぁ?」
吹きだして零れたジュースを拭いてヒョンは、オレの隣に来た。
「な、なんでそんな事…」
「チャニョルヒョンが、『キスした事ないの?』って…」
オレのそれだけの説明に頭のいいヒョンは察したようで、コホンと咳払いをして頬をかきながら自分の体験談を話してくれた。
「…ふーん…レモンの味とかしたの?」
「ごほっ、…む、無味だったと思うけど」
「ふーん…」
キスはレモンの味っていうけど、そうじゃなかったんだ。テミンに教えてやろ。
ボクがキスをする時はいつなんだろうなぁーって考えてたら、ジュンミョニヒョンに膝にに置いていた手を握られた。
「ねぇ、してみる?」
なんでか「うん」って言っちゃってて、ヒョンの顔が目の前いっぱいになって、反射的に目を瞑ってはじめてキスをした。
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「ジョンイナ、」
物思いにふけてたら、目の前にヒョンのドアップがあってソファーから落ちそうになったけど、ヒョンに支えられて助かった。
「な、なに」
「呼んでも返事しないから」
「そ、そう…」
傍にあったクッションをたぐり寄せて多分まだ赤いであろう顔を隠したいのに、ジュンミョニヒョンに手を取られて隠せない。
「ねぇ、なに考えてたの?」
寄せてくるヒョンの顔を押しやりたいけど、あいにく手を取られているから無理で、どんどん近づいてくる。
「してみる?」
反射的にヒョンを見て、しまったと思った。
オレの考えてた事なんて全部お見通しなクセにわかってて聞いてくるなんて、本当意地悪なヒョン。
「…うん」
意地悪な顔をどうにかしてやりたくて、普段しないオレからのキスをしてやれば、目を見開くから、ざまぁみろと思ったけど仕返しとばかりに押し倒された。
「レモンの味がした」
「…ウソツキ…////」
お題提供元「確かに恋だった」さま