こばなし(その他)
□聖ロビク病院5
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「テグンせんせー」
「はぁ…こんな夜中にどうした」
スイート並みの個室のお坊ちゃん。看護師たちにも好かれていて、結構無理なワガママも鬼の看護師長は「しょうがないわね」と許してしまった。
そして許してほしくなかったナースコールはオレへと回されるようになった。
「胸が苦しいのー」
「…見せて見ろ」
この前まで風邪を引いていて危うく肺炎になりそうだった身体だ。
きっちり上まで止められた高そうなパジャマのボタンを外していると、その腕を取られた。
「ケン??」
そんなに苦しいのか?と本気で心配したのに、布団の中に引きずり込まれて盛大なため息が漏れた。
「えへへ」
「はぁ…ケン、元気なら離せ」
「元気じゃないですよ?ココが苦しいって言ったでしょ?」
「苦しそうには見えないが」
「苦しいよ…先生の事を考えると…」
いつの間にか両手は縛られて高そうなベッドに括られた。ベッドも高いのだろう。仮眠室のような安っぽいベッドとは違って、男ふたりが乗って暴れていても軋みもしない。
「はっ、ケナっ!いいかげんに、」
「もぉテグン先生大人しくしてて?それともこの前みたいにお薬欲しい?」
「っ!!!」
忘れたいあの映像がフラッシュバックして、顔が赤くなる。見られるとからかわれそうで、顔を横に向けるけどすぐに元に戻された。
「可愛かったなぁ〜…欲しい欲しい言っちゃって」
「お、お前が、薬なんて盛るからっ!んぁ」
「えへへ、だって先生つれないんだもん」
あぁ…薬を盛られた日は最悪だったな…
ハギョンは目をキラキラさせて「エロいよ!どうしたの!?襲って欲しいの?!」とか言われるし…
「うぁっ、」
ズボンと下着をいっぺんに剥ぎ取られてなんて恥ずかしい恰好…ヒザを閉じても、身体を間に入れられて無駄な抵抗に終わるし。
「先生考え事?本当にお薬使っちゃう?まだあるよ?ふふっ、」
これ以上抵抗しても薬を使われそうだし、腕に跡が残りそうだし…最大の嫌味でため息をついて「好きにしろ」と言って力を抜いたら「それはそれで残念だなー」とキスしてくる。
「ま、素直な先生もなかなかって事で…いただきます」
「はぁ…」
ため息は塞がれて一気に頭に酸素がいかなくなった。
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