こばなし(その他)

□女装パニック
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「ただいまぁ…ん?」


宿舎に帰れば、リビングからはキャイキャイと騒がしい。


なんだ?


確かに常にうるさい宿舎だが、今日は一段とうるさい。一言注意してやろうと声のほうへ行けば、そこは大変な事になっていた。


「あ!テグナーお帰り!」

「「テグニオッパおかえりなさーい」」


なんで、みんな女装してるんだ…


「な、なにしてるの…」


思わず震える声にも気付かず楽しそうに説明してくれるケン子とラ美


「忙しそうな、テグンオッパに癒しを〜!って」

「オッパ〜晩ご飯は海鮮チヂミよぉ〜」


どうしよう…頭イタイ…


「ヒョ、コホン…オッパ、だ、だれが一番可愛いですか?」

「え…」

「エンミオンニが聞けって…」

「やっだー!ヒョギ江ったら!」


…あぁ、マジで頭イタイ……

ホンビンも真面目に女装を楽しんで、誰が選ばれるのかわくわくしてるし…


「オッパー!選んで、選んでー」


選ばないとこの地獄は終わりそうにない…


「か、かわいいの…?」

「そ!かわいい子!」

「…か、かわいいのは…」


5人オレの前で固唾を飲んで見守っている。
…なんかのオーディションみたいだな…


「かわいいのは…ヒョギ」

「きゃぁぁ!!…あはっ、なんだかんだ嬉しいー」


ヒョギを選んだ途端にヒョギに突き刺さる視線。オレの後ろに隠れて、べーっと舌を出してる。


「なんでヒョギ!?エンミのほうがかわいいでしょー!?」

「わたしだって可愛いわよぉ!」

「コホン…かわいいのは、ヒョギだけど。清楚っぽくていいのがホンビン。スポーツ万能っぽくていいのがラビで、元気でいいのがケン。で、ハギョンは一番キレイ」

「「……」」


不公平がないように思うがままに言ってみたけど…ダメだったかな…


「ほんとう?」

「え、うん。ハギョンが一番キレイ…ぐぇ!」


きゃぁー!と抱き着いてきたハギョンを受け止めきれなくて、一緒に後ろに倒れ込む。


「ちょっとぉ!エンミちゃんなにしてんのー!抜け駆けー!」

「エンミが一番キレイって事は、エンミが一番好きって事でしょう!っていう事でテグニはエンミのー!」

「どうゆう思考回路ですか。清楚っていうのは男のロマンでしょう?あたしでしょ」

「あたしだってー!」






輪の中からバレないように逃げ出して、深い深いため息をつく。

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