こばなし(その他)

□誘ってるの?*
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最近仕事が忙しいテグンヒョン。

キスしたのだって、3日前の掠める様なキスだし。セックスなんて2週間くらいしてない。
オレはそろそろ限界だけど、テグンヒョンはどうなんだろ…シたくなんないのかなー…
これが、社会人の恋人を持った人の宿命なのかなー…
でも、そんな事でめげないからね!
今日はテグンヒョンの為に部屋を片付けて、ご飯まで作っちゃったもん!オレってば出来る恋人じゃない?


「ただいまぁ…」


!!!!!
玄関から聞こえたのは、テグンヒョンの声!
こんな早い時間に帰って来るのなんて何日ぶり?!バタバタ足をもつらせながら玄関に行けば、そこにはやっぱりテグンヒョンがいた。
あぁ…でもやっぱり疲れてる顔してる…


「ヒョン、おかえり!」

「ビナー…」

「え?え、え?テグンヒョン?!」


抱き着いてきたテグンヒョンに驚きすぎて、手が出せなかった…!グリグリ肩にオデコを擦り付けて甘えて来るのもはじめてすぎて、腰を抱くのが精一杯だった。


「…いい匂いする…」

「ご飯作ったんですよー、食べます?」

「ん…食べる…着替えて来る」


最後にギュウと抱き締められて、自室に部屋着に着替えに行った。
ご、ご飯の用意しなきゃ…!!
鍋を火にかけて温める。さっきまで火がついてたからすぐにコトコト言い出すそれにホッとする。はぁー準備しておいて、よかったー。


「なに作ったの?」

「うぉ!テ、テグンヒョン…今日はね、ホワイトシチューと竜田揚げだよ」

「んー」


後ろから抱き着かれて情けないけど肩が跳ねた。なにこれ今日はなんなの?デレ期?
口角がニュ、と上がってるし!可愛い!!
すぐにでもココでヒョンを食べちゃいたいけど、ここはガマンだ!


「ヒョ、ン、ご飯よそってくれます?」

「ん」


パッと離れたテグンヒョンは、鼻唄歌いながらご飯をよそってお箸を持って行ってくれた。


「はい。どぉぞ」

「おー!」


目がキラキラして可愛いテグンヒョン。
きっと仕事が忙しくて自炊なんてしてないんだろうなとは思ってたけど、今日部屋に来てやっぱりそうだった。掃除しながら比較的キレイなキッチンのゴミ箱にはお弁当屋さんのパックやファーストフード店の包みもあった。
そんなの見付けちゃったら手料理食べさせてあげたいと思っちゃうよね。
案の定喜んでくれてるみたい。パクパク箸が口に運ばれてる。


「美味しい?」

「ん、おいし、」

「あはは、ヒョンゆっくり食べて?まだあるから」

「ん、」


誰も取る人なんていないんだからゆっくり食べればいいのに…ふふ、
ご飯をお代わりまでしてくれて、たくさん作った竜田揚げはあっという間になくなってしまった。でもシチューが少し余しちゃったみたい。
どうしようか迷ってる。


「ヒョン、シチューは明日も食べれるから」

「でもこれだけだし…残すのもったいない…」

「ふふ、これ以上食べたら太っちゃうよ」

「…じゃぁ、明日食べる…」


口を尖らせてシチューの入ったお皿にラップしているヒョンのなんと可愛い事か!!
食器も洗ってくれるっていうし。
あー…台所に立ってるヒョンとか久しぶりかも。いつもはコーヒー入れる為にしか立たないけど。いつかヒョンの手料理食べたいなー…


「ビナ、コーヒー」

「あ、ありがとうございます」


ヒョンの煎れてくれるコーヒーは、世界一美味しい!オレの好みもよくわかってくれていて、最高。あれ?でも今日のヒョンのコーヒーは、いつものと違う感じする…


「ヒョンのなんですか?」

「ん?これ?ホットチョコ」


なにそんな可愛いモノ飲んでんの?!
どうりで甘い匂いがすると思った!


「ど、どうしたんですか?それ」

「ハギョンに、あ、会社の同期のやつなんだけど、疲れてるなら甘いモノだって貰った」

「へぇー」


可愛いアイテムを与えた事は褒めるが、ハギョン?今までそんな人の名前聞いた事ないし。男だよね??同期?仲いいの?


「よく甘いモノとかくれるんだ」

「へー…よく、」


そういえば、ゴミ箱にケーキの銀紙とか高そうなチョコの箱あったな…貰いモノだったのか…


「あの、ビナ?」

「ん、なんですか?」


少し照れたような顔でヒョンがオレとの間を詰めてソファーに座りなおした。


「ホットチョコ、飲まない?」

「あー、はい。飲んでみたいです」


ヒョンが男から貰ったモノなんて、正直飲みたくないけどヒョンが作ってくれるならいいかなー。って、立ち上がってキッチンに行くと思ってたヒョンがマグカップを持って口に含んで口移ししてきたから驚いて少し口から溢れちゃった。


「んっ、…え、ヒョン?////」


こんな事された事ないから見なくてもオレの顔は真っ赤。っていうかテグンヒョンの顔も真っ赤。可愛い。


「も、もっと飲む?////」

「!!!」


うん!って頷けばまた一口含んでオレの首に手を回して、唇を重ねてくる。


「んっ、んっ、」


口の中いっぱいに広がる甘さにクラクラして来た頃、膝立ちしていたヒョンをソファーに押し倒した。


「んっ、ビナっ」

「…誘っておいてダメっていうのはナシですよ?」

「…そんな事言わないから…」


早く抱いて?って目ウルウルにさせたヒョンにキスされたら、明日も仕事あるんだしとか休ませてあげなきゃ、なんていう理性は一気に吹っ飛んだ。




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