こばなし(その他)
□相合傘
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夜中ハギョンがお腹空いたー!着いて来てー!とうるさいので、ホテル近くのコンビニにふたりで来ていた。
「テグナは?なに買う??」
「これ、とこれ」
「あはは、結局食べるんじゃん」
「うるさい」
連れて来たのはハギョンだから会計は任せた。
雑誌コーナーでパラパラとファッション雑誌を見ていたら、雨が降っている事に気付いた。
「テグナーお待たせー」
「ハギョナ、雨…」
「あ、傘?買ったよー店員さんが教えてくれたの」
持ち上げた傘はひとつ。
え?ひとつ???
仕方なくハギョンに続いて外に出ると、バサッと傘を開いたハギョンは「おいで」と手を振るけどおいでって…
「テグナ?はやくおいで?」
「え、でも」
「ほら、」
グイッと引っ張られてコンビニの軒下からハギョンの傘の中に入る。
あまりの距離の近さに後ろに下がれば「濡れちゃうよ」と腰を引かれる。
「ふふふ、相合傘だね〜」
「…アホか…」
いつもなら雨に濡れても構わずにこの傘から抜け出たろうけど、ココはパリ。オレたちを知ってる人はいないし、今は深夜だし、大雨中。
暴れることなく大人しくなったオレにハギョンも目を丸くしてたけど、すぐにニヤニヤしだして「ちょっと散歩して帰ろうか」と歩き出した。
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