いんぴに本文

□持ってけ泥棒! *
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今日の標的は、ココ!




一軒家で一人暮らしっぽいから前から狙ってたんだ。留守が多い住人は、見た事ないけど、若い男。

なんで若い男ってわかったかというと、洗濯物。ベランダに干す洗濯物が、柄物だったり、お洒落なシャツだったりするから若い男と推理する。

一人暮らしっていうのは、ゴミ。
一家に1個置いてあるこの家のゴミ箱には、(両お隣さんは、空き家)斜め向かいのお家に住む老夫婦よりもゴミが少ない。

ただの推理だけど…まぁ、オレの直感って当たるから。この直感で、今までの勝率は100%。

そんなわけで、今日この家にしようと思います。









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草木も眠る丑三つ時…元々空き家が目立つが、更に静けさが増していて、こんな仕事をしていても鳥肌がたつ。


今日の家は、運よく両隣が空き家、向かいは空き地。…なんていい物件なんだ!!

サクサクと下調べ済みのいつも窓が開いてる2階の部屋の窓からお邪魔する。

あっ、この部屋に住人がいない事は、確認済み。住人は、2階の奥の部屋、…この部屋から2つ隣。

外見もそうだが、結構大きな家なのだ。
裏には小奇麗な庭まであって、小さな池にはコイが泳いでいる。部屋も5、6個はあるだろう。

ここの住人は、警戒心がないのだろうなぁ…2階の部屋の窓は、開けっ放しか、鍵がかかっていない。入りやすくて、とても助かるのだけれど。




「…よっ、」



古い家だからか、ちょっと動くだけで軋んでしまって音が出てしまうから、住人が起きてしまわないか心配する…が、大丈夫みたいだ。

住人の部屋まで、廊下の軋みはハンパなかったが、部屋に入っても住人はピクリとも起きなかった。

薄いカーテンをしただけの部屋には、満月の月明かりが入って、明かりを点けなくてもよく見えた。





「…っ!!!」





眠っている住人を目隠しして、縛ってゆっくり作業に入るのがオレのやり方だった。
今日も作業に入る前に住人に目隠しして縛ろうと、仰向けでスースーと寝ている住人の顔を見て息が詰まった。



もろタイプ…(あ、オレ、ゲイです)



こんな仕事してても、結構付き合ったり、ヤるだけの関係とかは、持っていた。その中にも好みの顔はあったけど、…こんな、ビビビッ(古っ!)と電流が走ったのは、初めてだった。













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