いんぴに本文
□ボクに逢いたかったって、いって?
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「はぁ、今日もヒョンから連絡なしか…」
今ボクは、ひとり日本でドラマの撮影中。
しばらく逢えなくなるっていうのに、
ヒョンは、いってらっしゃいだけだった。
はぁ…ヒョンは、そんなに寂しくないのかな
ボクは一日離れるだけでも不安だし、寂しいのに…
ヒョンは、可愛いからモテモテだ。
今はボクと付き合ってるけど、メンバーですら
まだヒョンを狙っているくらいモテる。
一緒にいれば悪い虫が付かないように目を光らせれるけど、こう遠く離れるとなにも出来ない…
ヒョンは、自分がモテるって自覚がないから
更に性質が悪いんだ…
〜♪♪♪〜
携帯が鳴って、一瞬ソンギュヒョンかと思ったけど、ヒョンのは違う着信だと思い出して
また溜息が出てしまう。
「もしもし、ソンヨル?」
「やっとでた!忙しかった?」
「いや、もう終わってホテルの部屋にいたよ」
ソンギュヒョンから連絡はないけど、
ソンヨルからは頻繁に連絡が来ていて
それでソンギュヒョン情報を聞いていた。
「今日は、どうだった〜?」
「今日はねぇ、………」
今日の撮影話やマネヒョンと行った
おいしいご飯屋の話を1時間くらいしていた。
まぁこれはいつもの感じ。
これをヒョンとしたいなぁと思うけど…
他愛ない話を続けていたら突然ソンヨルの声が
途切れた。
「ソンヨラ?どうした?眠いならもう切るけど」
「ううん、…ちょっと待って…、あぁ泣かないで…」
電話口でボソボソ話すソンヨル。
誰と話してんだろ…??
「ミョンス?ゴメン、ソンギュヒョン泣いちゃった」
「は?!なんで?なんかされたのか?!!」
「はは、違う違う…ちょ、ヒョン、…はぁ、ゴメン言うなってうるさくてさ、」
「言うなって、…ちょっとヒョンと変わってよ」
「ヒョンね、ミョンスが日本に行ってから毎日泣いてるよ。」
「え…」
ボクが日本に行く前の日、いってらっしゃいしか言えなくて後悔してる。
ミョンスから連絡が来ないから怒ってるんじゃないかと思って自分から連絡できなかった。
ソンギュヒョンが今日まで思ってきた事を相談されていたらしいソンヨルが教えてくれた。(電話口では、言うなっ!やめろっ!って声が聞こえたけど)
んじゃぁ、後はお二人でどうぞ!
と言ってソンヨルの声が聞こえなくなってからパタンとドアが閉まる音が聞こえたから、
出ていったんだろう…ヒョンはいるのかな…
恥ずかしが屋だから、一緒に出ていったかもだなぁ…
「ヒョン、?……ソンギュヒョン?」
返事はないけど、ソンギュヒョンが側にいるのは、わかる。
「ヒョン?元気でした?」
「……」
声は聞こえないけど、鼻をすする音は聞こえるから話しかけてみると小さい声で返事がかえってくる。
「ヒョン、ご飯食べました?」
「…ぐす、…うん」
「ボクは、ラーメン食べたんですよ」
「…うん、ぐす…ぐす、」
「ヒョン、ウヒョニヒョンに変な事とかされてないですか?」
「ふふっ、…うん、あの…ミョンス…」
調子を取り戻して来たのか、ボクのボケ(本気で心配してますけど)に笑ってくれて、何か伝えようと頑張って言葉を探してるってのが伝わってくる。
「はい?」
電話越しでもモジモジしているのがわかるし、
何を言いたいのかもわかってきたら、恥ずかしがり屋なヒョンに言わせたくなってくる。
「ヒョン言って下さい」
「う、…ミョンス…逢いたい…よ…」
出発前にツンケンしてゴメン、
連絡しなくてゴメンなさいって年上のヒョンが
泣きそうな声で、どんどん敬語になっていくのが、申し訳ないけど面白くて笑った声がヒョンにも聞こえたみたいで、何笑ってんだって怒られたけど、またいつものヒョンに戻ってくれて安心した。
「ボク明後日帰るんでヒョン迎えに来てくれませんか?」
「仕方ないから行ってやる…」
「ふふっ、ヒョンおみやげは何がいいですか?」
何気なしに聞いたのに、
ヒョンから返ってきた答えに
明後日と言わず、今すぐ帰りたくなった。
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