いんぴに本文

□本当は聞こえてたくせに
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「ただいまぁ…」

って言っても誰も起きてないだろうけど、
いつもの習慣で挨拶しちゃった

今ので、起きちゃったりしないよね?

今の時間は、深夜1時過ぎ。

お陰さまでドラマの仕事が忙しくこんな時間に帰宅。でも寝て、7時にはまた仕事に行かなきゃならない。

ドラマの仕事も好きだから、寝れないほどの
忙しさには文句は言わないけど…


愛しの、愛しのソンギュヒョンに逢えない事!


こんな時間だから、ソンギュヒョンだって寝てるだろう…はぁ〜今日も逢えないのか…

顔を合わせて会話出来た時っていつだっけ?

せめて今日は、寝てる顔を見て寝よう…


リビングの扉を開けると月明かりに照らされたソファーに人影があった

近づいてよくよく見てみると、それは
愛しのソンギュヒョンで。


待っててくれたのかな?

本当は違うかもしれないけど、そう考えてしまえば自然と口角があがる


「ヒョン〜?」


普通の声の大きさで話しかけてみたけど
起きる気配はない…けど、肩がピクリと動いたのをボクは見逃さなかった


「ソンギュヒョン〜?寝てるんですか?…せっかく逢えたのになぁ…」


盛大にため息を吐き出せば、モゾモゾと身体が動く

ふふ、かわいいなぁ

ちょっと…意地悪しようかな…



*******


ミョンスが帰って来たみたいだったけど、起きるタイミングを見失っちゃって、いまだ寝たふりをしてた

今起きました風に起きればいいんだろうけど、
久しぶりって事も待ってたって事も恥ずかしくてどうしたらいいかわからなくなってる

ミョンスがため息をはいてリビングから居なくなったのが、足音でわかる


…寝てるから部屋に行っちゃったのかな…


うっ…起きればよかった…


泣きそうになって目をゴシゴシしてたら
ふわりと暖かいものと大好きな匂いに抱き締められた


「えっ…」

「あ、ヒョン起きちゃいました?」

「え、あ…ミョンス?」

「ただいま、ソンギュヒョン」


目を開ければタオルケットとニコニコ笑うミョンスに包まれてた


「あ、おか、…えり」

「こんな所で寝てたんですか?風邪引いちゃいますよ」


おでこにチュっとキスをされて、ぎゅうぎゅうと抱き締めてくる


「ソンギュヒョン…」

「っ…あ、ミョンス…あの」


こんな時間でも、ここがリビングでも、

久しぶりにやっと逢えた恋人なんだ…



恥ずかしがってる場合じゃないっ!



「はい?」





にっこり笑ってるミョンスにゆっくり近づいてキスをした





*******






はぁ〜ってため息を吐いてみて、
部屋にタオルケットを取りに行く


ソンギュヒョン今頃どうしてるかなぁ〜


泣いちゃってたり…ふふ、



さっ!早く行って抱き締めてあげよう





ボクもアナタに逢いたかったんだから



いっぱい抱き締めさせて









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