いんぴに本文
□誤解→両想い *
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「あっ、あの、…ミョンス…」
「ヒョン動かないで…」
パシャパシャ、とカメラのシャッターを切る音が殺風景な部屋に響く
ここは、ミョンスが今日の撮影の為にわざわざ借りたスタジオ?っていうか部屋だな。
コンクリの壁に、ビリビリ破れてるカーテン、
窓はすりガラスのようになっていて外が暗いというしかわからない
オレが今座っているベッドだけは、キレイなシーツが引かれていた
カメラが趣味のミョンス
被写体になってくれないかって言われて、
密かにミョンスに恋してるオレは、
あんまり考えもせずに返事してしまったのを
今後悔していた…
この部屋に入ってから、
あっちに立って、こっちに座ってって、
ずぅぅとカメラのシャッターを切られてて
正直、疲れた…ほぼ無表情でいいみたいだから
撮影に支障はないみたいだけど…(あったら、ミョンスがすかさず、ヒョン!っていう…)
「うん、とりあえず、いいかな…」
「…とりあえずってなんだよ…」
「ん?また今度付き合ってもらおうと思って…ダメ?」
「…べ、別に、ダメじゃないけど…」
ボクお茶持ってきますねって笑いながら部屋から出て行ったミョンス
また、ってどういう意味なのかな…意味なんてないよな…ミョンスは、ソンジョンが好きなんだし…あ〜…言ってて悲しくなってきた…ちょっと涙出てきた…あれ、スイッチ入っちゃった…
ソンジョンを見つめるミョンスを見ている自分を思い出してしまった…それは、よくある風景で(自分の中で)ミョンスのあの優しい顔が忘れられない…あの顔を自分に向けて欲しいと何度思ったことか…
ガチャリ、と部屋のドアが開いて
慌てて涙を見られなくてベッド突っ伏した
「ヒョン?どうしたんですか?疲れちゃった?」
「な、なんでもない…」
「…泣いてるの?」
「な、泣いて、ない…」
顔をあげれない時点で、もう泣いてるって
言ってるようなものだが、ミョンスは以外とズレてるから騙されてくれそう…と、思っていたらグイっと上を向かされてビックリした
「っ…!」
「やっぱり泣いてるじゃないですか」
「離せっ…」
「…どうしたんですか?」
「本当に、ゴメン…な、なんでもない…」
まさかお前の事を想って泣いてたなんて、言えるわけもなく…ミョンスの腕の下で顔を背けるので精一杯だった
「ヒョン…」
涙を拭うミョンスの指が優しくて、余計に涙が出てくる
「うっ…うっ…」
「ウヒョニヒョンとケンカしたとかですか?」
「えっ…?」
「…付き合ってるんでしょう?」
えっ、??ウヒョナと付き合ってる?
確かに仲は、メンバーの中で一番いいし、
ミョンスの事も相談したりしていたけど…
ジッと見つめてくるミョンスの質問がわからなくて、思わず見かえしていると、
ミョンスに抱き締められた
「ミョ、…ミョン、ミョンスっ?!」
「ヒョン…ウヒョニヒョンの為になんて泣かないでよ…ボクまで悲しくなるから…」
オレの首筋に顔を埋めてるミョンスに、今気付いたんだけど、ハタから見たらミョンスにベッドに押し倒されてるみたいじゃない…?
この体制に段々恥ずかしくなってきて、
未だ顔を埋めてるミョンスの肩を押した。
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