いんぴに本文
□恋のはじまり
1ﾍﾟｰｼﾞ/2ﾍﾟｰｼﾞ
「う〜…ソンジョン〜イ・ソンジョン〜…」
「はいはい、なんですか〜？」
昨日から風邪を引いてしまって、
身体がダルくて指一本も動かしたくない…
そんな時、役に立つのは
我らがマンネ、イ・ソンジョンっ！！
なにかと、呼んでは用を言い付けていた
「暑いっ！…どうにかして…」
「どうにかって…う〜ん…あっ！ちょっと待って下さいね」
なにか考えて、パタパタと部屋から出ていってしまった。
早く帰って来ないかなぁ〜っと考えていると、ウヒョンが部屋に入ってきた
「ヒョ〜ン…具合どう？」
「ん〜…ダルい…暑い…」
「暑いの〜？…パジャマ脱いだら？」
そう言って、パジャマのボタンをポチポチと
外されていく
ん〜脱いだら涼しくなるかもなぁ…そう思ってボタンを外すウヒョン(なんかニヤニヤしてるような…)を黙って見ていた
「なにやってるんですか？」
オレは、寝てるからウヒョンの後ろから姿は見えないけど、声が聞こえてちょっとビックリしたけど、
ウヒョンは、もっとビックリしたみたいで
乗っていたベッドからかなり飛んでタンスに身体をぶつけて、痛がっていた
「いったぁぁ…」
「なにやってたんですか？ウヒョニヒョン？」
「うっ…べ、別に…ヒョンが暑いっていうから…」
「……」
なんか、ソンジョンのウヒョンを見る目が冷たく見えるのは、風邪のせいかな？
じゃぁ、ヒョンお大事に〜ってそそくさと、
部屋から出ていくウヒョンにありがとうっと返事を返す
「ヒョン…なんで、パジャマはだけてるの…？」
「ん〜？あぁ〜ウヒョンに暑いって言ったら、ならパジャマ脱げば？って」
はぁっとため息をはいて今度は、パジャマのボタンをポチポチと、はめていくソンジョン。
「ソンジョン〜オレ暑いんだよぉ〜」
「だからって、ウヒョニヒョンの前でやっちゃダメです」
「ん〜…？なんで〜？？」
「…はぁ〜…ヒョン今の自分わかってます？」
「？？？」
またため息をはいて、ベッド脇から何かを取り出した。
「なにそれ？」
「氷ですよ。砕いてシロップかけて来ました」
「わぁ〜ソンジョン！早くちょうだいっ」
「はいはい。ちょっと待って下さいね」
ベッド横に座って、スプーンで砕いた氷を
口元に持ってきて、食べさせてくれる。
中から冷やされて、暑くて、火照った身体にはとてもよかった
「あぁ〜冷たいぃ〜気持ちぃ〜」
「汗もかいて、…後で拭きましょうね」
おでこに張り付いた髪を撫で付けながら
ニッコリ笑うソンジョンに
本当に昨日、今日と世話になったなぁと考えていると、風邪を理由に結構無茶な事も言ったのに嫌な顔せずに自分の世話をしてくれてたなぁって思うとなにかが込み上げてくる…年かなぁ…風邪のせいかなぁ…？
「ソンジョン…」
「ヒョン？どうしたの？もういらない？」
「オレっ、…ソンジョナ…っ！」
風邪のせいもあって、言葉もうまく出てこなくて、もどかしいオレを優しい目でみるソンジョンにどんどん涙がこぼれてきてしまう…
「うっ…ひっく…」
「ヒョン、泣かないで？」
チュッとおでこに、まぶたに、鼻に、ほっぺにキスされると段々落ち着いてくる
「オ、レ…ヒョンなのに…ひっく…ゴメっ、ソンジョ、ありがとっ…」
「ふふっ、ヒョンどうしたの？風邪で涙腺弱くなっちゃった？」
「おまえっ…ヒョンが、せっかく…ひっく…」
「はいはい、わかってますよ。ヒョンのお世話は僕が勝手にやってるんだから気にしなくてもいいのに……本当に可愛いなぁヒョンは…」
グシグシと、泣くオレの頬を包み込むソンジョンは、なんかいつもと違く見えて、
ちょっと怖いって思ってたら、唇にソンジョンの唇がチュッとあたる…あたる？
…って、キス？！！
「なっ、なに…！？お前…ヒョ、ヒョンをからかうなよ？！！」
「からかってないよ…ほら、氷食べなよ、ヒョン」
「えっ…えっ？う、うん…」
え？さっきのキスは、なんなの？からかってないって言ってたけど…
今氷を食べさせてくれるソンジョンは、さっきのキスしてきたソンジョンとは、全然違う…
「う〜…？」
「ふふふっ」
──風邪治ったら覚悟してね？ヒョン？──
あとがき→