いんぴに本文

□ラ〇レ(パロ)
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仕事を終えて我が城に帰ったのは、深夜12時すぎ

スーツの上着を脱いでソファーにダラリと座ると、疲れからかボーっとしてしまう

あぁ…ご飯食べなきゃ、お風呂入らなきゃ…
頭ではそう考えるけど身体がソファーから離れられない


このまま寝るのもありかな…

あぁ、それでもスーツは脱がなきゃ…

やっとのことでソファーから身体を起こすと
我が城の電気が一斉にすべて消えた


「え…?!停電???!わっ、ど、どうしよう…!!?」


ひとり暮らしをし始めて、
初めての停電。頭はパニックでソファーをウロウロしていると、自分の足元に月明かりに照らされた影が重なった

影?この部屋にかかるような高い建物はないんだけど…さして広くないバルコニーに視線を向けるとレースのカーテンの向こうに人影が見えた


「なっ!!」


ここ5階だけど?!え…泥棒?!!
け、警察!!!

スマホを探すけど、こうゆう時に限って近くになくてカバンにしまったままなのを思い出す


レースのカーテンがフワァと動いたのがわかり、身体が硬直する…ゆっくり、ぎこちない動きで後ろを振り向けばバルコニーの人影が
こちらに向かってきていた

人影…は、めちゃくちゃイケメンだった…
イケメンが泥棒しないなんて誰も言ってないけど、ホストとかでも食っていけんじゃないの?!そしてなんでオレん家?!!

何も言わずにどんどん近寄ってくるイケメン泥棒に後退りしていると、ソファーに倒れこんでしまった

ヤ、ヤ、ヤバいっ!!この体制は完璧に殺られる体制じゃん!オレまだ車のローン残ってるのに!


「あ、あの…っ!お金なら、今手元に、…ないんですけど…」

「お金?いらないよ」


ヤバい!イケメン泥棒は声もイイ!…ってそんな事考えてる場合じゃないっ!

お金いらないって、…じゃぁ何が欲しいの…?


「オレ吸血鬼なの」

「は?!」


吸血鬼?!…えっ、どうしよう…頭がおかしいの!?よくよくイケメンを見れば吸血鬼っぽい真っ黒いマントしてるし…ヤバい!ヤバい!!


「血を頂きに参りました」


ペコリとお辞儀してソファーに倒れてるオレに覆い被さってくる


「血ぃ?!…え、えっ?!ウソでしょ!?」

「ウソじゃなくて、ほんと…」


ネクタイを緩められて、Yシャツのボタンを外されて首筋に顔を埋められて、チクリと痛みが走る

バタバタと足を動かしてもイケメンにがっしり押さえられてて、全然びくともしない


「…っ、」


血を啜る音を聞いて、あぁこの人(?)本当に吸血鬼なんだって思ってたら、ガバッと首筋から離れて叫んだ


「…薄っ!!」

「へっ?」

「おにーさん、鉄分不足すぎっ」

「て、つぶん…?」

「そっ!だからこれ飲んで!」


そう言って手渡されたのは、ラ◯レに鉄分のサプリメント…


「え…?」

「早く早く〜」


促されるようにクイっとラ〇レを飲み干す


「の、飲んだけど…」


それまで黙って待っていたイケメンは、
弾かれたようにオレの所まで来てまた首筋に噛みついて…


「薄い!!!なにどんだけ鉄分不足?!」

「え…あ、ゴメン…」

「はー…まぁいいや。しばらく厄介になります」

「え、あ、はい…え?!」


流れで謝って、流れで返事しちゃったけど
今こいつなんて言った???


「おにーさんの鉄分がいい感じになるまで、ここに住むから〜ヨロシク」

「は?!ちょ、なんで…!」


そう言えば、キラリとイケメンの金色の瞳が光って身体が強張る


「おにーさん気に入っちゃったんだもん…ねぇ名前なんて言うの?オレ、ウヒョンっていうの」

「…っ、ソンギュ…」

「ソンギュかぁ!ね、オレここに住んでもいいでしょ?」


イケメン吸血鬼もといウヒョンに見つめられると、なんでか拒否が出来なくて、コクンと頷いてしまった


のが、運のつき…

この日を境にオレの城に吸血鬼が居座り始めた









「ねぇ、ソンギュ〜ラ〇レ飲んでる?鉄分薄いよ?」

「…ん、…忘れた…ぁっ、」

「はぁ、まぁソンギュのは薄くても美味しいんだけど」

「(ちゃんと飲むとお前吸いすぎんだよ!!)」


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