いんぴに本文

□ただいま
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「たっだいまぁ〜」


最近付き合っていた恋人と同居をはじめた

オレが帰るとキッチンからパタパタ歩いて来てお帰りなさいって恥ずかしそうに言ってくれる

今日もそれを待っているんだけど、
一向にやって来ない。聞こえなかったかな?

靴を脱いで、スリッパに履き替えて
多分いるであろうキッチンへと進む


「ソンギュ〜?」


キッチンには居た。愛しの恋人ソンギュ。

でもやっぱりオレの声は聞こえてないみたいで、う〜う〜って唸ってる

包丁も持ってないみたいだから、ソッと後ろから抱き締めてみる(前にビックリさせようとバックハグしたらビックリして、包丁で可愛い手を切ってしまった。だからそれ以来注意してる)←ソンギュには、めちゃくちゃ怒られました。


「ソンギュ〜?ただいま」

「ぎゃぁ!!!」


そんなに驚かなくてもっていうぐらいに
驚いたソンギュは軽く睨まみながらもお帰りと言ってくれた


「唸っちゃってどうしたの?」

「ん〜…実は失敗しちゃってさ…」


腕の中でショボーンとなっているソンギュの
フライパンを見れば、真っ黒くなっているナニか。


「あらら、珍しいね」

「はぁ〜マジでゴメン…今から作り直すからちょっと待ってて?」


オレの腕の中から出て、フライパンを流しに置いて水を浸してるソンギュの肩を掴んでこっちを向かせた


「ねぇ、今日は出前にしようよ」

「え、でも…」

「たまには贅沢しよう?オレこれでも高給取りだよ?」


チュ、とシワがよってる眉間にキスをすれば、
ようやっと笑ってくれた


「明日からまた節約だからな!」

「はぁ〜い!」


さくさくっと頼むものを決めて、
電話しているソンギュを後ろから抱き締める

そういえば思い出したんだ

オレ帰ってからソンギュにキスして貰ってない

ピっ、と電話を切って、なんだよって振り替えるソンギュにただいまと言うと首を傾げて、お帰りって言われた

そうじゃないんだってば!


「だーかーらー!ただいま!!」

「だから!お帰りっていってんだろ?!なんなんだよ!」


ちゅーって口を付き出せば、
意図がわかったのか、頬を赤くさせるソンギュ


「なっ、な、」

「だって帰って来たらしてくれる約束でしょう?今日まだだもん!」

「きょ、今日くらい…」


エプロンの裾を掴んでモジモジしてるソンギュは、可愛いけどココは折れません!


ジーと待っていれば、
この部屋にはオレたち以外はいないのに
キョロキョロと周りを確認して、オレの肩に手をついて唇にチュっとキスしてくれた



「…おかえりなさい」



まさか顔中真っ赤にさせながらも、にっこり笑うとか、そんな事されたらオレ我慢出来ないんですけど!


ソンギュの腰を引き寄せて、
甘いキスをしようと顔を近づけた…、



ピンポーン!


ふたりとも身体をビクッとさせて、
インターフォンを見れば出前を頼んだ所の店員が映っている

慌てて、カギを開けに走ったソンギュの背中を恨めしそうに見つめる


「ソンギュは、デザートか…」


まっ、オレ楽しみは後に取っておくほうだし!



「おい!ウヒョナ持つの手伝えよ〜!」

「はいは〜い」








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