てんたぷ本文

□お世話オオカミ *
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「ヒョン!もも缶持ってきたよ!!」

「ニエラ、氷枕作ってきたぞ」

「ニエラ〜ビタミンだ!ほら、口開けろ〜!」

「ヒョン!寒いならオレが暖めてあげ…ぐっ…!」


はい。わたくしニエル、風邪を引きました。

さっきの会話は、上からリッキー、ミンスヒョン、チョンジヒョン、チャンジョ…チャンジョの言った事だけよく聞こえなかったんだけど、ヒョンたちが気にするなって言うから気にしません。…なぜ、半裸で、床で寝ているのかは、わかりません。


とまぁ、風邪を引いたオレを心配して世話してくれるのは、とても嬉しいんだけど…

だ!け!ど!

どうか静かにして…ただでさえ、熱が出てだるいのに…もう眠りたい…ぐすっ…

そんなオレが泣き入っているのも露知らず、ベットの周りでギャーギャー騒ぐメンバーたちを一喝して、部屋から追い出してくれたのは、エルジョヒョンだった。


「まったく、病人の周りで騒ぐなんて…看病したい!っていうから任せたらコレだもんな…ゴメンな?」

「ううん…みんな心配してくれただけだし…、わざわざ(替わりばんこで)ご飯も食べさせてくれたし、」

「あれは、(みんなやりたくて、やったことだから)気にしなくていいから(キッパリ)」



お手伝いのおばさんが、風邪引きのオレの為に卵粥を作ってくれて、スプーンを持つのも億劫だったオレを見て、メンバーが(嬉々として)順番に食べさせてくれた。
最初は恥ずかしかったけど、心配して(若干の楽しさが見えたが)くれるメンバーの為にも、ちゃんと食べて元気にならなきゃと思って全部食べた。

その後も、病人の介護の何が楽しいのかジャンケンで勝った人が薬を飲ませる。水を飲ませる。体温を計る。など、事あるごとにジャンケンしていた。さっきもベットの周りで、誰が着替えを手伝うかで騒いでいた。


「まったく、これじゃ治るもんも治らなくなる…」

「ふふっ、でもだいぶ良くなったよ?」


さっき、リッキーに熱を計って貰った体温計には、微熱、37度と表示されていた。今朝は38度7分。半日でだいぶ下がったといえるだろう。


「下がったからって、油断するとまた上がっちゃうんだからな?安静にしなきゃ」

「うん、」


優しい笑顔で頭を撫でてくれるエルジョヒョンの手が気持ちよくて、しばらくされるがままになっていたが、ふいにエルジョヒョンが、あっ!っと声を出した。


「?どうしたの?」

「忘れてた。汗かいたろ?パジャマ着替えなきゃな」

「あぁ〜、うん、着替えたいかも…」

「ちょっと待てよ〜今取ってくる」


ワシャ、っと頭を撫でられて洗濯置場へパジャマを取りに行ってくれた。本当にみんな至れり尽くせりだなぁ…ふふっ、風邪を引いて身体はだるく重いけど、心の気持ちは軽い。
そんな、みんなの気持ちに心地よくなっていると、パジャマと水が張られた桶を持ったエルジョヒョンが帰ってきて、オレの顔を見て、?となっていた。


「なに、ニコニコしてるの?どうかした?」

「ふふーなんでもないよー、ヒョンそれなに?」

「パジャマ着替えるだけじゃダメだと思って、暖かいお湯持ってきたよ、汗拭こう」




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